FitNotesをiPhoneで使う方法を探しているなら、先に結論をお伝えします。FitNotesにiPhone版はありません。公式FAQが「iOS/iPhone版を開発する予定もない」とはっきり書いています。この記事では、その事実の裏取りと、App Storeに並ぶ同じ名前のアプリの正体、そしてAndroid端末を手放す前にやるべきデータの書き出し手順までを整理します。

先に立場を書いておきます。筆者はLiftLogという筋トレ記録アプリを個人で開発・運営しています。この記事で紹介する代替アプリのひとつは自社製品なので、判断材料は公式の掲載内容とストアの公開情報に限り、FitNotesが優れている点も自社が及ばない点も同じ基準で書きます。

FitNotesにiPhone版がないことの確認

公式サイトのFAQに、そのままの質問と回答があります。

Is FitNotes available for iOS? FitNotes is only available for Android devices and there aren't any plans to develop an iOS/iPhone version at the moment unfortunately. Sorry about that!

(FitNotesはAndroid端末専用で、残念ながら現時点ではiOS/iPhone版を開発する予定もありません。出典: FitNotes 公式FAQ・2026年8月2日確認)

公式サイトのトップページも同じことを言っています。

FitNotes公式サイトのトップページ。濃紺の背景に「FitNotes / Gym Workout Log」のロゴが置かれ、その下に「A clean, simple, powerful workout tracking app only available on Android.」「Free to use and no ads - ever!」という説明文と、Google Playのダウンロードバッジだけが並んでいる
出典: FitNotes 公式サイト(https://www.fitnotesapp.com/)2026-08-02 取得。画像の著作権は FitNotes に帰属します

キャッチコピーは "A clean, simple, powerful workout tracking app only available on Android."(クリーンでシンプル、パワフルなワークアウト記録アプリ。Androidでのみ利用できます)。ダウンロードボタンもGoogle Playの1つだけで、App Storeのバッジはどこにもありません。

公式サイト全ページを横断して検索しても、iOSやiPhoneの語が出てくるのは上のFAQだけでした。移植の予告もベータ募集もありません。「そのうち出るかもしれないから待つ」という選択肢は、現時点では成立しないと考えたほうがいいです。

FitNotesがAndroidで支持されてきた理由

代替を選ぶ前に、自分がFitNotesの何を気に入っていたのかを言語化しておくと、iPhone側の選定が早く終わります。

開発者はJames Gay氏(Google Playのデベロッパー表記)。Google Play日本ストアの掲載によると、累計100万以上のインストール、評価は4.8・31,308件で、最終更新は2025年10月24日です。価格は0円で、「広告を含む」「アプリ内購入」のバッジは付いていません。公式サイトの表現をそのまま借りれば "Free to use and no ads - ever!" です。

機能は公式ヘルプの目次がそのまま一覧になっています。ワークアウト記録、ルーティン(テンプレート)、カレンダー、進捗の確認、種目の編集、Body Tracker(体重・体脂肪・部位サイズなどの記録)、そして「Workout Tools」としてレストタイマー・1RM計算機・セット計算機・プレート計算機の4つ。

無料でこれだけ入っていて広告が出ない、という点がFitNotesの強さです。iPhoneの記録アプリでは、プレート計算機や種目ごとのグラフが有料プラン側に置かれていることが珍しくありません。移った先で「これ有料なのか」となりやすい機能を、あらかじめ把握しておくと落差が小さくなります。

1RM計算機(%1RM換算表つき)FitNotesの1RM Calculatorと同じ計算を、アプリを入れずにブラウザで試せます。計算式の出典つき(登録不要)

App Storeで「FitNotes」と検索すると出てくるアプリ

ここが今回いちばん誤解しやすいところです。App Storeで検索すると、FitNotesという名前を含むアプリがいくつも出てきます。そのどれも、公式FitNotesの開発元が出しているものではありません。

2026年8月2日時点で日本のApp Storeに掲載されている主なものを、掲載情報のまま並べます。

App Store 日本ストアの「FitNotes」を含む主なアプリ(2026-08-02 時点)
アプリ名デベロッパ初回公開評価(日本)日本語
FitNotes - Workout TrackerEvgeny Uralsky2016年1月3.9 / 7件非対応(英語のみ)
FitNotes 2 - Gym Workout LogGINGER TECHNOLOGIES PTE. LTD.2020年12月4.2 / 6件非対応(英・仏・西)
Fitnotes XArkt Labs Inc.2026年2月5.0 / 1件対応
(参考)公式 FitNotesJames GayGoogle Play で 4.8 / 31,308件説明文は日本語で掲載

出典: Apple App Store(日本)掲載情報 / Google Play(日本)掲載情報2026-08-02 確認)

評価は各ストアの掲載値。公式 FitNotes は iOS 版が存在しないため、Google Play の数値を参考として併記しています

注目してほしいのは評価件数の桁です。公式FitNotesはGoogle Playで31,308件の評価を集めていますが、App Storeの同名アプリはいずれも1桁です。長く使われた実績という意味では、まったく別物だと考えてください。

そのうえで、これらを「偽物」と切り捨てる書き方はしません。実際、FitNotes 2は自分が何であるかを正直に書いています。App Storeの説明文にはこうあります。

Based on the popular FitNotes app, the best workout planner app ever made on any platform

(人気アプリFitNotesをもとにしています。出典: App Store 日本ストアの説明文

公式サイト(getfitnotes.com)でも "An iOS alternative to FitNotes for Android"(Android版FitNotesのiOS向け代替)と名乗っており、公式版であるとは主張していません。名前が紛らわしいのは確かですが、説明を読めば立ち位置は分かるようになっています。

Android端末を手放す前にやること

移行で失敗するパターンは、ほぼ1つです。新しいiPhoneを買ってからデータのことを考え始める。FitNotesの記録は端末の中にあるので、Android端末を売ったり初期化したりしたあとでは取り出せません。

順番はこうです。

  1. Android端末のFitNotesで手動バックアップを作る設定の Backup から「Save Backup」で端末に保存、または「Share Backup」でDropboxやGoogle Drive、メールに送ります。ファイル名は FitNotes_Backup.fitnotes です。

  2. 同じ画面からCSVも書き出すSpreadsheet Export で Workout(ワークアウト)と Body Tracker(体のデータ)のCSVを作れます。「Save Export」で端末保存、「Share Export」でクラウドやメールへ。バックアップとCSVは用途が違うので両方書き出しておきます。

  3. 書き出したファイルをPCかクラウドに置くAndroid端末以外の場所に必ず1つ置きます。ここまでやってから、次のアプリを選び始めます。

  4. 移行先の候補が取り込めるか確かめる取り込みに対応していれば .fitnotes をそのまま渡します。対応していなければ、CSVを記録の保管庫として持っておく判断になります。

  5. 1〜2週間は並行して記録する新しいアプリの操作に慣れて、記録が問題なく残ることを確認してからAndroid端末を手放します。

2つのファイルの違いは公式ヘルプに書かれています。バックアップは「新しい端末に復元できるように、FitNotesの全データを保存する」もの。CSVは「ExcelやGoogleスプレッドシートで見て分析できるように」書き出すものです。そしてCSVについては、はっきりこう注記されています。

Please Note: It is not possible to restore data from the CSV file - please use the Backup option for this.

(CSVファイルからデータを復元することはできません。復元にはBackupを使ってください。出典: FitNotes 公式ヘルプ Settings

つまりCSVはFitNotesに戻せません。それでも書き出しておく理由は、移行先が読めるのはCSVのほうである可能性が高いからです。逆に.fitnotesは、それを読める仕組みを持ったアプリでしか開けません。両方持っておくのが最も潰しが効きます。

なお、FitNotes 2の開発元は移行手順のページを公開しており、Android側でバックアップを作ってメール・Google Drive・Dropbox経由でiPhoneに渡し、共有メニューからアプリで開く、という流れを案内しています。.fitnotesとCSVの両方に対応し、CSVは設定などのメタデータが少ないこと、すでに同じ日付のワークアウトがある場合はスキップされることも書かれています。筆者はこの取り込みを実際に試していないので、動作の保証はできません。使う場合は、必ず元のファイルを別の場所に残したうえで試してください。

iPhoneで何を選ぶか

FitNotesを気に入っていた人が次に選ぶとき、判断軸は4つに絞れます。

  1. 無料でどこまでできるか — FitNotesは全機能が無料でした。乗り換え先の無料範囲がどこで切れるかを先に見ます
  2. データを再び持ち出せるか — CSV書き出しがあるアプリを選んでおくと、次に困りません
  3. 日本語で使えるか — App Storeの同名アプリは多くが英語のみです
  4. Androidに戻る可能性があるか — あるなら、最初から両OSに対応しているアプリを選ぶと同じ悩みを繰り返しません

そのうえで、道は大きく3つあります。

A. FitNotesの操作感に寄せたiOSアプリを使う。 FitNotes 2のように、Android版の記録を取り込める設計のものです。過去のデータを引き継げる可能性がいちばん高い代わりに、開発元は公式とは別で、評価件数もまだ少ない状態です。

B. iPhoneで実績のある記録アプリに乗り換える。 Strongは無料でも記録の保存件数に制限がなく、ただしテンプレート(ルーティン)は3つまでという制限があります。詳しくはStrongアプリの使い方にまとめました。Hevyは無料でもルーティンを作れてSNS的な要素があるタイプで、こちらはHevyの使い方に整理しています。日本語で作られたシンプルなアプリがよければ筋トレMemoの使い方も選択肢に入ります。いずれも過去のFitNotesデータは引き継げないので、CSVは保管庫として持っておく前提になります。

C. 過去データは保管して、新しいアプリで新しく始める。 現実的にはこれが多数派です。書き出したCSVをクラウドに置いておけば、過去の重量を確認したいときはいつでも開けます。日々の記録は新しいアプリで積み直す、という割り切りです。

FitNotesの機能をiPhoneで置き換えるときの対応表

「FitNotesにあったあれは、移った先にあるのか」を機能単位で確認できるようにしました。

FitNotes の主な機能と、iPhone 側で確認すべきこと
FitNotes の機能iPhone側で確認すること
ワークアウト記録(無料・広告なし)無料範囲がどこで切れるか。記録件数に上限があるアプリは少ないが、テンプレート数に上限があることは多い
Routines(テンプレート)無料で作れる数。Strongは無料3つまで
Rest Timer(レストタイマー)ほぼ全てのアプリにある。バックグラウンドで通知が鳴るかは確認したい
1RM Calculator内蔵していないアプリもある。無くてもブラウザの計算機で代替できる
Plate Calculator(プレート計算機)Strongでは有料プラン限定。FitNotesで使っていた人は要確認
Body Tracker(体重・体脂肪・部位サイズ)体重は大抵記録できる。部位サイズは有料側にあることが多い
Calendar(月表示で過去を振り返る)カレンダー表示の有無はアプリ差が大きい
アカウント不要・端末内保存クラウド同期前提のアプリが多い。登録が必要かを確認
CSV書き出し次にまた移るときのために、あるアプリを選ぶ

右列は「移行前に自分で確かめる項目」です。個別アプリの可否は仕様変更があるため、各アプリの公式情報で確認してください

ベンチプレスの1RM計算機移行先に1RM計算機がなくても、挙げた重量と回数から最大挙上重量を推定できます(登録不要)

LiftLogという選択肢

筆者が開発しているLiftLogも候補のひとつなので、正直に書きます。

FitNotesユーザーにとって合う点は、まず主要機能が無料で広告が出ないこと。テンプレートの作成数に上限がなく、種目ごとのグラフも無料です。そしてiPhone・Android・Apple Watch・ブラウザのすべてに対応しているので、今回のように「OSを変えたらアプリごと失う」という事態が起きません。今後Androidに戻る可能性がある人には、ここがそのまま効きます。日本語で開発していて、サポートも日本語です。

合わない点、というより現時点で及ばない点も書きます。

FitNotes と LiftLog(2026年8月時点)
比較軸FitNotesLiftLog
対応OSAndroidのみiPhone / Android / Apple Watch / ブラウザ
料金完全無料・広告なし主要機能は無料・広告なし
テンプレート数上限なし上限なし
メニューの提案なし(自分で組む前提)AIが記録を読んで提案(1日10往復まで)
プレート計算機ありなし
FitNotesデータの取り込み対応していない
CSV書き出しあり(Workout / Body Tracker)あり(Web版から)
実績累計100万+インストール・評価31,308件2026年公開・評価件数はまだごくわずか

FitNotes 側は公式サイト・公式ヘルプ・Google Play 日本ストアの掲載内容、LiftLog 側は自社の実装にもとづく 2026年8月2日時点の情報です

はっきり書いておきます。LiftLogはFitNotesのバックアップファイルもCSVも取り込めません。 過去の記録を1件も落とさずに引き継ぎたいなら、取り込みに対応したアプリを選ぶべきです。LiftLogを選ぶ場合は、書き出したCSVを保管庫として持ったうえで、新しい記録から始める形になります。プレート計算機がないこと、31,308件の評価を持つアプリと比べて実績が浅いことも、そのとおりです。

操作の詳細はLiftLogの使い方に、パソコンから使う手順はWeb版の使い方にまとめています。

まとめ

  1. FitNotesにiPhone版はない。 公式FAQが「iOS/iPhone版を開発する予定もない」と明言している
  2. App Storeの同名アプリはすべて別の開発元。公式版を名乗っているものはない。評価件数の桁も大きく違う
  3. Android端末を手放す前に、手動バックアップ(.fitnotes)とCSVの両方を書き出して端末外に置く
  4. 自動バックアップはGoogle Drive内の専用フォルダに入るため、iPhoneへの移行には使えない
  5. 選ぶ軸は、無料範囲・CSV書き出しの有無・日本語対応・両OS対応の4つ

FitNotesは、無料で広告なしのまま100万インストールを超えた、よくできたアプリです。iPhoneに移ることで手放すことになるのは残念ですが、データさえ先に取り出しておけば、後から選び直せます。順番だけは間違えないでください。