レストタイマーの使い勝手は、機能の多さではなく「アプリを閉じても動き続けるか」でほぼ決まります。セットが終わったらスマホはポケットかベンチの上に置くので、画面を見ていない時間のほうが長いからです。ロック画面に残り時間が出るか、通知で終了を知らせてくれるか、そのとき音楽が止まらないか。この3つが揃っていないと、結局スマホを何度も開くことになります。

この記事では、App Storeで実在を確認した単機能タイマー4本と、記録アプリに内蔵されたタイマー3本を同じ6軸で並べます。事実はApp Storeの掲載と各アプリの公式ヘルプ(いずれも2026年8月7日確認)に限り、確認が取れなかった項目は「確認できず」と書いています。

「筋トレタイマー」は2種類ある

App Storeで「筋トレ タイマー」と検索すると、評価件数の多いアプリが並びます。ただしその大半は、ウェイトトレーニングのレストタイマーとは別の道具です。

  • インターバルタイマー型 — 「運動◯秒 → 休憩◯秒 × セット数」を先に決めて自動で回す。HIIT、タバタ式、サーキット、ストレッチ向け
  • レストタイマー型 — セットの完了チェックを押した瞬間から休憩を測り始める。重量と回数を記録するアプリに内蔵されている

この記事で扱う単機能タイマー4本は、すべて前者です。App Storeの説明文にも「あらかじめ設定したトレーニング時間・休憩時間・回数・セット数をタイマーでカウント」(筋トレ・タイマー)、「運動時間や休憩時間、セット数などを自由に設定でき」(筋トレタイマー)と書かれています。

違いが効いてくるのはジムでの実際の動きです。ベンチプレスを5セット組むとき、1セット目の後は90秒でも、重量を上げた4セット目の後は3分ほしくなります。インターバルタイマー型でこれをやると、セットが終わるたびに秒数を打ち直すか、タイマーを手で開始し直す操作が入ります。逆に、決まった秒数で淡々と追い込むサーキットは、記録アプリのレストタイマーでは組めません。

比較する6つの軸

タイマーは機能一覧で比べても差が出にくいので、ジムでの動作に効く順に軸を決めます。

  1. ロック画面・常時通知での継続表示 — アプリを閉じても残り時間が見えるか
  2. 通知と音・振動 — 終了をどう知らせるか
  3. 音楽アプリと同時に鳴るか — イヤホンの曲が止まらないか
  4. 秒数のカスタマイズ — 何秒から何秒まで、どの刻みで変えられるか
  5. 種目ごとの設定 — 種目単位で休憩の長さを持てるか
  6. 記録アプリと一体か、単機能か — 記録とタイマーがつながっているか

選択に効きやすいのは1と6です。2〜5は使い方によって順位が変わります。

単機能タイマー4本(App Storeで確認できたもの)

日本のApp Storeで実際に配信されていることを確認できたアプリのうち、評価件数が多く、更新が続いているものを4本並べます。すべて掲載価格は無料です。

単機能タイマーアプリの比較(2026年8月7日時点・日本のApp Store)
アプリタイマーの型バックグラウンド動作の記載Apple Watch評価(件数)必要なiOS
筋トレ・タイマーインターバル型(時間・休憩・回数・セット数を事前設定)説明文に記載は見当たらず掲載上は非対応4.6(55,968件)iOS 18.0以降
Timer Plusインターバル型(タバタ/ラウンド/ストップウォッチ)「バックグラウンドでタイマーを使用することもできます」対応(Watchアプリ同梱)4.67(60,777件)iOS 13.0以降
筋トレタイマー(Shogo Yoshida)インターバル型(運動・休憩・セット数を自由に設定)説明文に記載は見当たらず掲載上は非対応4.65(3,767件)iOS 15.0以降
Workoutimerインターバル型(種目名つきでセットを組み立て)「バックグラウンド実行、バックグラウンド時の通知のON/OFF」掲載上は非対応4.6(5,878件)iOS 18.5以降

出典は日本のApp Storeの掲載(2026-08-07 閲覧)。「記載は見当たらず」は説明文で確認できなかったという意味で、機能が無いことを示すものではありません。Android版の有無は今回確認していません。評価と件数、必要なiOSは変更されることがあります

この4本のなかで色が違うのは Timer Plus です。Apple Watchアプリが同梱されていて、手首だけでタイマーを回せます。公開レビューにも「別アプリ起動中のバックグラウンドでも、スリープ中も継続」という声がありました(★5・バージョン1.4.7時点の投稿)。Workoutimer は「タイマー表示中はスクリーンロックを無効にするオプション」を持っていて、画面が消えること自体を防ぐという別方向の解き方をしています。筋トレ・タイマー は2017年から続く定番で履歴機能つき、筋トレタイマー(Shogo Yoshida) は設定項目を絞ったシンプルな作りです。

記録アプリ内蔵のレストタイマー3本

こちらは「セットの完了チェックを押した瞬間に走り出す」タイプです。記録とタイマーが同じ画面にあるので、操作がひとつにまとまります。

記録アプリ内蔵のレストタイマー(2026年8月7日時点)
比較項目LiftLogHevyStrong
タイマーの始まりセット完了で自動セット完了で自動セット完了で即時
既定の長さ90秒デフォルトレストタイマーで指定全種目2:00
秒数の変更範囲既定値は30〜300秒を15秒刻み。種目ごとは0〜600秒を15秒刻み公式ヘルプに範囲・刻みの記載なし公式ヘルプに範囲・刻みの記載なし
種目ごとの設定種目名の横の秒数バッジから種目名のすぐ下の「レストタイマー」から種目の「…」メニューから
ウォームアップと本番で別の長さ不可(種目ごとに1つ)公式ヘルプに記載なし設定できる
ロック画面での継続iOSはライブアクティビティ(Dynamic Islandにも表示)/Androidは常時通知ライブアクティビティ(iOS・Android)公開情報からは確認できず
ロック画面上の操作iOSは−15秒/スキップ/+15秒。Androidの通知は+30秒/スキップ15秒単位の増減とスキップ公開情報からは確認できず
ロック画面に出る情報残り時間+種目名+次にやること+その目標重量次の種目・完了セット数・指定の重量や回数・経過時間公開情報からは確認できず
音の調整効果音のオン/オフタイマー・セット完了・自己ベストの3種を個別に音量調整。タイマーは音も選べるSettings > Rest Timer からサウンドを変更
Apple Watchからの操作±15秒とスキップWatchアプリありWatchアプリあり

LiftLogは開発者による記述、HevyとStrongは各社の公式ヘルプおよびApp Storeの掲載(2026-08-07 閲覧)に基づきます。「記載なし」「確認できず」は公式の記述を見つけられなかったという意味で、機能の不在を示すものではありません

この表でLiftLogが負けているのは3行あります。 ウォームアップと本番で別々の休憩時間を持てるのはStrongだけで、LiftLogは種目ごとに1つの秒数しか持てません。音の調整もHevyが細かく、タイマー音・セット完了音・自己ベスト通知の3種類をそれぞれ別の音量に振れます。ロック画面に出る情報量もHevyのほうが多く、経過時間まで確認できます。

各アプリ単体の使い方や無料版の範囲は、それぞれの記事にまとめてあります。

なおレストタイマー自体は、HevyもStrongも無料の範囲で使えます。タイマー目当てで課金する必要はありません。

軸1:ロック画面で動き続けるか

いちばん差が出るのがここです。iPhoneは、アプリを閉じたり画面を消したりすると原則としてアプリの処理が止まるため、タイマーを動かし続けるには開発側で別の仕組みを用意する必要があります。やり方は大きく3つあります。

  1. ライブアクティビティ — ロック画面とDynamic Islandに専用の表示を出す。残り時間が常に見え、ボタンも置ける
  2. 通知の予約 — 終了時刻に通知を飛ばす。残り時間は見えないが、終わったことは分かる
  3. バックグラウンド再生 — 音を鳴らし続けることでアプリを動かし続ける。音楽アプリと相性の問題が出やすい

LiftLogとHevyは1を採っています。LiftLogはロック画面とDynamic Islandに、残り時間・種目名・「次にやること」(次のセットか、次の種目か、これで終わりか)・その目標重量を出し、「−15」「スキップ」「+15」のボタンを置いています。Hevyはヘルプに「次に行う種目や現在の種目で何セット終えたか、指定された重量や回数など」と経過時間が出ると書かれていて、同じく15秒単位の増減とスキップができます。Androidでも同じ機能が使えます。

単機能タイマー側は、App Storeの説明文に「バックグラウンド」の記載があるかが手がかりになります。Timer Plusは「バックグラウンドでタイマーを使用することもできます」、Workoutimerは「バックグラウンド実行、バックグラウンド時の通知のON/OFF」と明記しています。記載が見当たらないアプリでも動く可能性はあるので、入れてすぐ、スマホをポケットに入れて1セット分だけ試すのが確実です。無料なので、確かめるコストはかかりません。

軸2・3:終了の知らせ方と、音楽が止まらないか

セット間にイヤホンで音楽を聴く人にとっては、ここが実質的な合否になります。

iPhoneでは、アプリが音を鳴らすときの振る舞いが3通りあります。再生中の音楽を止める / 音量を一時的に下げる(ダッキング) / そのまま重ねて鳴らす。どれになるかはアプリの設計しだいで、同じ「タイマーアプリ」でも挙動が分かれます。実際、筋トレ・タイマーには「タイマーを起動すると流してる音楽やYouTubeの音量が小さくなる」という要望のレビューがあり(★5・バージョン3.7.0時点)、これは通知音を確実に聞かせるための設計と読めます。

逆に、重ねて鳴らす側の実例もあります。

音楽アプリなどで音楽を流したまま同時使用が可能でした。オーディオブックや、お気に入りの音楽を流しながら、かつタイマーのカウント音も正確に聴き取ることができ、とても満足しています。(筋トレタイマー ★5・バージョン2.5.0時点の投稿)

日本語を消したら、音楽を聴きながらストレッチ、トレーニングできて最高です。(Timer Plus ★5・バージョン1.7.0時点の投稿)

いずれも投稿時点のバージョンでの声で、最新版で同じかは確認していません。LiftLogのiOS版は効果音を音楽と重ねて鳴らす設定にしているため、イヤホンの曲は止まりません。HevyとStrongについては、この挙動に触れた記載を公式ヘルプに見つけられませんでした。

振動での通知も見落とされがちです。ジムのマシンの近くは意外とうるさく、音だけだと聞き逃します。LiftLogは終了時に音と振動の両方で知らせ、Apple Watchなら手首にも届きます。ジムワークもApple Watchでのバイブ通知に対応しています。単機能タイマーでは、筋トレタイマー(Shogo Yoshida)が「サウンドやバイブレーションの設定も変更可能」と説明文に明記しています。

軸4・5:秒数の刻みと、種目ごとの設定

LiftLogは設定タブから30〜300秒を15秒刻みで既定値を変えられます。種目ごとの秒数はもっと広く、0〜600秒を15秒刻みで指定でき、0にするとその種目ではタイマーが走りません。Web版だけは種目名の横のチップに秒数を直接打ち込む作り(入力欄は5〜600秒を想定した範囲)で、アプリ全体の初期値を変える設定はありません。

Strongの既定値は全種目2:00で、種目の「…」メニューから変えられます。加えてウォームアップのセットと本番のセットで別々の長さを設定できるのはStrongだけの利点です。アップは45秒、本番は3分、といった組み方が種目単位で固定できます。

Hevyは、プロフィールタブ>歯車>「ワークアウト」>「デフォルトレストタイマー」で既定値を決めます。注意したいのは、公式ヘルプが「既存ルーティンのエクササイズには遡ってデフォルトのレストタイマーは追加されません」と明記している点です。あとから既定値を変えても、すでに作ったルーティンには反映されません。 なお秒数の設定範囲と刻みについては、HevyとStrongの公式ヘルプに記載を見つけられませんでした。

休憩の長さそのものは、扱う重量と狙う回数で変わります。何レップを狙うかが決まっていないなら、RPE(きつさ)から次のセットの重量を逆算しておくと、休憩の長さも決めやすくなります。

RPE換算計算機RPEと回数から1RMを推定し、次のセットの目標重量まで計算できます(登録不要)

軸6:記録と一体かどうか

単機能タイマーの良さは、記録アプリを入れなくていいことです。アカウント登録も要らず、ストレッチやヨガ、勉強にも同じアプリを使い回せます。記録アプリ内蔵のタイマー側の利点は、種目ごとの秒数がメニューに紐づくことです。テンプレートを呼び出せば休憩時間も入った状態で始まり、タイマーを開始する操作そのものがありません。

分かれ目は「メニューを紙で持っているか、アプリで持っているか」です。すでに記録アプリを使っているなら、タイマー用に別のアプリを入れる理由はほとんどありません。

ジムで使うならどれか(条件別の結論)

両論併記で終わらせないために、条件ごとに答えを書きます。

  • 記録はメモアプリや紙。タイマーだけ欲しい → 単機能タイマー。バックグラウンド動作を明記している Timer PlusWorkoutimer から試すのが早い
  • HIIT・タバタ式・サーキットを回したい → 単機能タイマー一択。記録アプリのレストタイマーではこの形は組めません
  • Apple Watchだけでタイマーを回したい → 単機能タイマーなら Timer Plus(Watchアプリ同梱)。記録も残したいなら記録アプリ側のWatchアプリ
  • ウォームアップと本番で休憩を変えたいStrong。この設定を持っているのはStrongだけでした
  • 音の種類ごとに音量を細かく変えたいHevy。タイマー・セット完了・自己ベストの3種を別々に調整できます
  • ロック画面から次のセットの重量まで見たいLiftLogHevy。どちらもロック画面に残り時間以外の情報を出します
  • すでに記録アプリを使っている → そのアプリのレストタイマーで足ります。タイマー用に別アプリを増やす必要はありません
  • 音楽を止めたくない → アプリごとに挙動が違うので、無料の範囲で1セット試して確かめるのが確実です

ひとことでまとめると、「時間で区切るメニューか、重量で区切るメニューか」で最初の分岐が決まります。そのうえで、ロック画面で見えるかどうかを確かめれば、ほぼ外しません。

LiftLogのレストタイマーの仕様

すでに使っているアプリのタイマーで困っていないなら、そのままでいいと思います。 そのうえで、上の6軸で引っかかる点があるなら、選択肢のひとつとしてLiftLogがあります。日本語で開発している国産の筋トレ記録アプリで、主要機能はすべて無料・広告なし、iPhone・Android・Apple Watch・ブラウザで使えます。

  • セットの完了チェックを押した瞬間に自動で開始。既定は90秒で、設定タブから30〜300秒を15秒刻みで変更できます
  • 種目ごとの秒数は、ワークアウト画面の種目名の横にある秒数バッジから、0〜600秒を15秒刻みで指定できます
  • iOSはアプリを閉じてもロック画面(ライブアクティビティ)とDynamic Islandで残り時間が動き続けます。表示されるのは残り時間・種目名・「次にやること」・その目標重量。ロック画面上には「−15」「スキップ」「+15」のボタンがあります
  • Androidは常時通知としてタイマーが残り、通知の「+30秒」「スキップ」から操作できます
  • 終了時は音・振動とともに「休憩終了」を表示します。iOS版の効果音は音楽アプリと重ねて鳴らす設定なので、イヤホンで再生中の曲は止まりません
  • Apple Watchからも±15秒とスキップを操作でき、終了時は手首に振動が届きます

弱点も書いておきます。 ウォームアップと本番で別の休憩時間を持つことはできず、種目ごとに1つの秒数だけです。音量を音の種類ごとに振り分ける設定もありません。Web版はブラウザのタブを閉じると止まり、ロック画面での継続表示はありません(LiftLog Web版の使い方に画面ごとの違いをまとめています)。運用実績も、評価件数5万件超のタイマーアプリや10年以上続く記録アプリとは比べるまでもありません。

操作の詳細はLiftLogの使い方にまとめています。

まとめ

  • 「筋トレタイマー」には、時間を先に決めて回すインターバルタイマー型と、セット完了から測るレストタイマー型の2種類がある。ウェイト中心なら後者
  • App Storeで確認できた単機能タイマー4本のうち、バックグラウンド動作を明記しているのはTimer PlusとWorkoutimer。Apple Watch対応はTimer Plusのみ
  • 記録アプリ側は、LiftLogとHevyがロック画面での継続表示を持つ。Strongについては公開情報から確認できなかった
  • ウォームアップと本番で休憩を分けられるのはStrong音の種類ごとに音量を振れるのはHevy
  • 音楽が止まるかどうかはアプリの設計しだい。課金や乗り換えの前に、無料の範囲で1セット試すのが確実

タイマーは毎セット使う機能なので、ひとつの引っかかりが100回積み上がります。逆に言えば、確かめるのに必要なのは1回のワークアウトだけです。

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