ブルガリアンスクワットの平均重量は、トレーニング記録サービスのStrength Levelの集計で男性31kg・女性20kgです。この数字には条件が2つ付いています。ダンベル1個あたりの重量であること、そして1回だけ挙げられる最大重量(1RM)として集計されていることです。左右2個の合計に直せば男性62kg・女性40kg、10回続けられる重量に直せば片手で男性23kg・女性15kgという換算になります。どちらの読み方をするかで、印象は倍以上変わります。
- 主に効く部位
- 大腿四頭筋・臀筋片脚で支えるため体幹も動員
- 器具
- ダンベルと台バーベルを担ぐ形もある
- 重量の数え方
- ダンベル1個あたり左右の合計ではない
- 多い組み方
- 3セット×10回男性19%・女性24%が選択
- 男性の平均
- 31kgダンベル1個あたり・1RM(Strength Level)(推定)
ブルガリアンスクワットの平均重量|男女別・レベル別
まず全体の分布から確認します。次の表は、Strength Levelが公開しているダンベル版のレベル別重量です。
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者(Beginner) | 11 | 7 |
| 初級者(Novice) | 20 | 13 |
| 中級者(Intermediate) | 31 | 20 |
| 上級者(Advanced) | 46 | 30 |
| エリート(Elite) | 62 | 41 |
出典: Dumbbell Bulgarian Split Squat Standards (kg)/Strength Level(2026-08-08 確認)
※ 数値はダンベル1個あたり・シャフト分(通常2kg)込みで、1回だけ挙げられる重量(1RM)の水準です。海外の記録サービスに投稿された自己申告データのため、日本のジム利用者の分布とは差がある可能性があります
レベルの区切りは、記録を投稿した人の中での順位で決まっています。中級者がちょうど真ん中なので、一般に「平均」として引用されるのはこの中級者の値です。
| レベル | 記録を投稿した人の中での位置 | 練習期間の目安 |
|---|---|---|
| 初心者(Beginner) | 5%より強い | 1か月以上正しく行っている |
| 初級者(Novice) | 20%より強い | 6か月以上定期的に取り組んでいる |
| 中級者(Intermediate) | 50%より強い(ちょうど真ん中) | 2年以上定期的に取り組んでいる |
| 上級者(Advanced) | 80%より強い | 5年以上続けて伸ばしている |
| エリート(Elite) | 95%より強い | 5年以上、競技レベルを目指している |
この集計のもとになっているのは、2019年1月2日から2026年3月5日までに投稿された482,453件から絞り込まれた有効結果103,979件(男性75,522件・女性28,457件)です。件数は多いものの、記録サービスに自分の重量を投稿する人の分布であることは動きません。
表の数字は「ダンベル1個あたり」
この種目でいちばん取り違えやすいのがここです。Strength Levelは表の下に「Dumbbell weights are for one dumbbell and include the weight of the bar, normally 2 kg / 4.4 lb」と書いていて、ダンベル1個あたりの重量として集計しています。シャフト分(通常2kg)も含まれます。
つまり男性の平均31kgは、31kgのダンベルを両手に1つずつ持つという意味です。体にかかる荷重は合計62kgになります。
- 男性の平均: 片手31kg → 合計62kg
- 女性の平均: 片手20kg → 合計40kg
数字を見て「自分は片手10kgだから平均の3分の1」と落ち込む前に、比べている単位がそろっているかを確認してください。同じ数え方はダンベルフライの平均重量でも同様で、Strength Levelのダンベル種目は共通して1個あたりで集計されています。媒体によって平均値が食い違って見えるのは、片手で書いているか合計で書いているかがそろっていないことが理由の大半です。
体重別の目安
同じ性別でも体重が違えば扱える重量は変わります。単位はkg、ダンベル1個あたりの1RMです。
| 体重(男性) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 55kg | 7 | 14 | 23 | 35 | 48 |
| 60kg | 8 | 15 | 25 | 38 | 52 |
| 65kg | 9 | 17 | 27 | 40 | 55 |
| 70kg | 11 | 19 | 29 | 43 | 57 |
| 75kg | 12 | 20 | 31 | 45 | 60 |
| 80kg | 13 | 22 | 33 | 47 | 63 |
| 85kg | 14 | 23 | 35 | 49 | 65 |
| 体重(女性) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 45kg | 5 | 10 | 17 | 26 | 37 |
| 50kg | 6 | 11 | 18 | 28 | 38 |
| 55kg | 6 | 12 | 19 | 29 | 39 |
| 60kg | 7 | 12 | 20 | 30 | 41 |
| 65kg | 7 | 13 | 21 | 31 | 42 |
| 70kg | 8 | 14 | 22 | 32 | 43 |
元データは男性140kg・女性120kgまで公開されていて、この表はその一部を抜き出したものです。体重70kgの男性が中級者の水準を狙うなら片手29kg(合計58kg)、体重55kgの女性なら片手19kg(合計38kg)という計算になります。
持ち方で扱える重量が変わる|ダンベル2個・ゴブレット・バーベル
ブルガリアンスクワットは重りの持ち方が3通りあり、どれを選ぶかで扱える重量も難しさも変わります。Strength Levelにページがあるのはダンベル2個持ちとバーベルの2つだけで、ゴブレット(胸の前で1個を抱える形)に対応する集計は公開されていません。
ダンベル2個持ちは、重りが体の左右に真下へ下がる形です。上体を起こしたまま動作でき、姿勢の自由度が高い代わりに、握力と手に持てる重さが天井になります。片手46kg(上級者の水準)を2つとなると、置いてあるジムも限られます。
ゴブレットは、1個を胸の前で抱えます。重心が前寄り・高い位置に来るので上体を支える負担が増え、同じ総重量ならダンベル2個持ちより難しくなります。持てるのが1個なので、扱える総重量は最も小さくなります。
バーベル担ぎは肩に担ぐため手が自由になり、握力の制限を受けません。そのぶん片脚でバランスを取りながら担ぐことになり、崩れたときに抜けにくい形でもあります。数字の下限も変わります。バーベル版の集計はバー込みの合計重量で、空のバーだけで20kgあるためです。
ダンベル2個とバーベルの数字を並べる
ダンベル版を2倍して合計にすれば、バーベル版と同じ土俵に載せられます。
| レベル(男性) | ダンベル片手 | ×2の合計 | バーベル | 合計÷バーベル |
|---|---|---|---|---|
| 初心者 | 11 | 22 | 17 | 129% |
| 初級者 | 20 | 40 | 36 | 111% |
| 中級者 | 31 | 62 | 65 | 95% |
| 上級者 | 46 | 92 | 102 | 90% |
| エリート | 62 | 124 | 144 | 86% |
| レベル(女性) | ダンベル片手 | ×2の合計 | バーベル | 合計÷バーベル |
|---|---|---|---|---|
| 初心者 | 7 | 14 | 10 | 140% |
| 初級者 | 13 | 26 | 21 | 124% |
| 中級者 | 20 | 40 | 36 | 111% |
| 上級者 | 30 | 60 | 56 | 107% |
| エリート | 41 | 82 | 79 | 104% |
比の欄は、公開されている両ページの値から計算したものです。軽い段階ではダンベルの合計が上回り、重くなるほどバーベルが上回るという向きの入れ替わりが男性で起きています。上の段では握力とダンベルのラインナップが先に頭打ちになり、下の段ではバーベルを担ぐこと自体の難しさが効いている、という読み方ができます。
バーベル版の表には、読むときに引っかかる点がもう1つあります。初心者の水準は男性17kg・女性10kgですが、注記のとおり空のバーは通常20kgです。この行は分布から計算された水準であって、そのままバーで再現できる重量ではありません。バーベルで始める場合、実質的な下限が20kgになることは頭に入れておいてください。軽い段階から刻みたいなら、ダンベルかゴブレットのほうが現実的です。
なお2つの表は別々の集計です。ダンベル版は有効結果103,979件、バーベル版は54,655件で、同じ人が両方を測った差ではありません。比の数字は分布どうしの比較として受け取ってください。
表の数字は「1回だけ挙がる重量」|10回できる重量への直し方
Strength Levelは平均について「The average Dumbbell Bulgarian Split Squat is 31 kg for men and 20 kg for women (1RM)」と書いています。1RMは1回だけ挙げられる最大重量なので、この重量で10回続けられるという意味ではありません。
換算には推定式を使います。よく使われるEpley式(1RM = w × (1 + r ÷ 30))とBrzycki式(1RM = w × 36 ÷ (37 − r))は、10回のときにちょうど同じ値になり、どちらも 1RM = 重量 × 4/3 になります。逆に解けば、10回できる重量はおよそ1RMの75%です。
- 男性の平均: 片手31kg → 10回できる重量は約23kg(合計46kg)
- 女性の平均: 片手20kg → 10回できる重量は約15kg(合計30kg)
10回という回数を基準にしたのは、集計されたセットの組み方で最も多かったためです。3セット×10回が男性の19%・女性の24%を占めていて、次が3セット×8回(男性17%・女性18%)でした。
スクワットの1RM計算機重量と回数から1RMを推定できます。逆に1RMから回数ごとの重量も引けるので、平均値を自分のセットに翻訳できます(登録不要)自重から始める段階の作り方
平均値を見て最初からダンベルを持つ必要はありません。この種目は片脚で体重を支えるため、何も持たない状態でも荷重は片脚に集まります。厚生労働省のe-ヘルスネットも、筋トレには自重で行う運動も含まれるとしたうえで、日常生活レベル以上の負荷を繰り返しかけ、慣れてきたら少しずつ負荷を高めていく(漸進性過負荷の原則)ことが重要だと説明しています。
段階の作り方は、負荷を増やす前に動作を成立させる順で考えると整理できます。
- 自重で、後ろ足を台に乗せた姿勢のまま立ったり座ったりできる
- 自重で、狙った深さまで下ろして10回そろえられる
- 軽いダンベル2個を持って、同じ深さと回数を保てる
- 重量を少しずつ上げる
集計データの側から見ても、この順は無理のない形です。初心者の水準は片手11kg(男性)・7kg(女性)で、平均の31kg・20kgとは3倍近い開きがあります。分布の下の方は、そもそも軽い重量から始まっているということです。
基本のやり方
台の前に立って足の位置を決める― 台に片足を乗せた状態で、前足のかかとの真上あたりに膝が来る距離を探します。近すぎると膝が前に流れ、遠すぎると股関節側に寄ります
後ろ足を台に乗せる― 足の甲を寝かせて乗せるか、つま先を立てるかを決めます。どちらでも構いませんが、毎回同じにそろえます
上体を起こしたまま下ろす― 前足に体重を預けたまま、後ろの膝を床に近づけます。骨盤が左右に傾かない範囲でとどめます
前足で押して戻る― 後ろ足は支えに使うだけで、蹴って戻さないようにします。1回ごとに下ろす深さをそろえます
台の高さと前足の距離が変われば、同じ重量でもきつさが変わります。重量と一緒に、この2つも固定してください。
記録の残し方|左右をどう数えるか
平均は自分の位置を確認する材料にはなりますが、次のセットの重量を決めてはくれません。決める材料になるのは自分の前回の記録です。
記録するのは種目・重量・回数の3つで足ります。項目の決め方は筋トレ記録のつけ方にまとめていますが、この種目には片脚種目ならではの分かれ道が1つあります。左右を合わせて1セットと数えるか、片脚ずつ別のセットとして数えるかです。
どちらでも構いませんが、途中で変えると前回と比較できなくなります。ボリューム(重量×回数×セット数)で追っている場合はセット数が倍違うため、影響はさらに大きくなります。計算の考え方はトレーニングボリュームの計算方法にまとめてあるので、数え方を決めてから書式を固定してください。ダンベルの重量も、片手あたりで書くか合計で書くかを最初に決めます。
伸びているかどうかは、重量だけを見ていても分かりません。片手20kgで8回だったものが同じ20kgで10回になっていれば前進していますが、重量の欄は動いていないからです。回数の伸びも含めて追う方法は筋トレの成果を見える化する方法で整理しています。バーベルを担ぐ形に進む場合は、同じく担ぐ種目のグッドモーニングも記録の書き方の参考になります。
まとめ
- 平均はダンベル1個あたり男性31kg・女性20kg。左右合計なら62kgと40kg
- 数字は1RM。10回できる重量はおよそ75%で、片手なら男性23kg・女性15kg
- 持ち方は3通り。データがあるのはダンベル2個持ちとバーベルだけで、ゴブレットの集計は公開されていない
- ダンベル合計とバーベルの比は、男性で初心者129%からエリート86%へ向きが入れ替わる
- バーベル版は空のバーで20kgが下限。軽い段階から刻むならダンベルかゴブレット
- 記録では左右の数え方と片手か合計かを先に決めて固定する
まずは何も持たずに10回そろえられるかを1回試して、記録するところから始めてください。比べる相手は平均ではなく、前回の自分です。


