ダンベルフライの平均重量は、Strength Levelの集計で男性23kg・女性12kgです(2026-08-08確認)。ただしこの数字は片手のダンベル1個あたりで、1回だけ挙げられる重量(1RM)として集計されたものです。10回続けられる重量に直すと、男性で17kg前後になります。もうひとつ実用的な目安があって、同じデータでダンベルプレスと比べると、フライはおよそプレスの6割です。この記事では、レベル別・体重別の表と、その数字を自分のセットの重量に翻訳する手順をまとめます。
- 主に効く部位
- 大胸筋腕を閉じる動き
- 器具
- ダンベル2個ベンチが必要
- 重量の数え方
- 片手あたり両手の合計ではない
- 10回で扱う目安
- 17kg男性平均23kgの75%(推定)
ダンベルフライの平均重量|男女別・レベル別
Strength Levelは、利用者が投稿した記録を集計して種目ごとの基準値を公開しているサイトです。ダンベルフライは投稿された345,131件のうち74,957件が有効記録として集計対象になっています(2017年12月10日〜2026年3月5日、2026-08-08確認)。
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者(Beginner) | 7 | 4 |
| 初級者(Novice) | 14 | 7 |
| 中級者(Intermediate) | 23 | 12 |
| 上級者(Advanced) | 34 | 18 |
| エリート(Elite) | 48 | 24 |
出典: Dumbbell Fly Standards (kg)/Strength Level(2026-08-08 確認)
※ 数値は1回だけ挙げられる重量(1RM)の推定値で、ダンベル1個あたり・シャフト分(通常2kg)を含みます。海外の記録サービスに投稿された自己申告データのため、日本のジム利用者の分布とは差がある可能性があります
レベルの区切りは、記録を投稿した人の中での順位で決まっています。中級者がちょうど真ん中なので、一般に「平均」として引用されるのはこの中級者の値です。
| レベル | 記録を投稿した人の中での位置 | 練習期間の目安 |
|---|---|---|
| 初心者(Beginner) | 5%より強い | 1か月以上正しく行っている |
| 初級者(Novice) | 20%より強い | 6か月以上定期的に取り組んでいる |
| 中級者(Intermediate) | 50%より強い(ちょうど真ん中) | 2年以上定期的に取り組んでいる |
| 上級者(Advanced) | 80%より強い | 5年以上続けて伸ばしている |
| エリート(Elite) | 95%より強い | 5年以上、競技レベルを目指している |
練習期間は目安として示されているもので、期間を満たせばその重量に届くという意味ではありません。
体重別の目安(男性)
体重が増えれば扱える重量も上がるため、自分の体重の行で見たほうが実態に近くなります。単位はkg、片手1個あたりの1RM推定値です。
| 体重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 50kg | 3 | 8 | 15 | 24 | 34 |
| 55kg | 4 | 9 | 16 | 26 | 37 |
| 60kg | 5 | 10 | 18 | 28 | 39 |
| 65kg | 6 | 11 | 19 | 30 | 41 |
| 70kg | 7 | 13 | 21 | 31 | 43 |
| 75kg | 7 | 14 | 22 | 33 | 45 |
| 80kg | 8 | 15 | 24 | 35 | 47 |
| 85kg | 9 | 16 | 25 | 36 | 49 |
| 90kg | 10 | 17 | 26 | 38 | 51 |
| 95kg | 10 | 18 | 27 | 39 | 53 |
| 100kg | 11 | 19 | 29 | 41 | 54 |
体重別の目安(女性)
| 体重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 40kg | 3 | 5 | 9 | 14 | 20 |
| 45kg | 3 | 6 | 10 | 15 | 21 |
| 50kg | 3 | 6 | 10 | 16 | 22 |
| 55kg | 4 | 7 | 11 | 16 | 22 |
| 60kg | 4 | 7 | 11 | 17 | 23 |
| 65kg | 4 | 7 | 12 | 17 | 24 |
| 70kg | 4 | 8 | 12 | 18 | 24 |
| 75kg | 5 | 8 | 13 | 19 | 25 |
| 80kg | 5 | 8 | 13 | 19 | 26 |
いずれも出典は同じページです(Strength Level、2026-08-08確認)。元データは男性140kg・女性120kgまで掲載されているので、この範囲を超える場合はリンク先を確認してください。
表の数字の読み方|1RMと「10回できる重量」は別物
「平均23kg」を見て、自分の8kgと比べて落ち込む必要はありません。比べる対象がずれているからです。ずれの原因は2つあります。
1つ目は基準です。 Strength Levelは平均について「The average Dumbbell Fly is 23 kg for men and 12 kg for women (1RM)」と書いています。1RMは1回だけ挙げられる重量なので、この重量で10回続けられるという意味ではありません。
回数と重量の関係は推定式で翻訳できます。よく使われるEpley式とBrzycki式は10回のときにちょうど一致し、1RM = 重量 × 4/3 になります。逆に解けば、10回できる重量はおよそ1RMの75%です。
- 男性の平均23kg → 10回できる重量は約17kg(片手)
- 女性の平均12kg → 10回できる重量は約9kg(片手)
2つ目は単位です。 Strength Levelは「Dumbbell weights are for one dumbbell and include the weight of the bar, normally 2 kg / 4.4 lb」と注記しています。表の数字はダンベル1個あたりで、シャフト分(通常2kg)も含みます。男性23kgというのは、23kgのダンベルを両手に1つずつ持つという意味です。媒体によって「平均◯kg」が食い違って見えるのは、片手で書いているか合計で書いているか、1RMか実際のセット重量かがそろっていないためです。同じ単位の使い方はダンベルショルダープレスの平均重量でも同様で、Strength Levelのダンベル種目は共通してこの数え方です。
適正重量の決め方|ダンベルプレスの約6割が出発点
平均表は自分の位置を確認する材料にはなりますが、次のセットで何kgを持つかは決めてくれません。フライの重量を決めるとき、いちばん手がかりになるのは同じ日にやっているダンベルプレスの重量です。
同じStrength Levelの2種目のデータを並べると、比率がはっきり出ます。
| 比較の切り口 | ダンベルフライ | ダンベルプレス | 比 |
|---|---|---|---|
| 平均(男性) | 23kg | 38kg | 約61% |
| 平均(女性) | 12kg | 20kg | 約60% |
| 中級者・男性 体重70kg | 21kg | 35kg | 約60% |
| 中級者・男性 体重80kg | 24kg | 40kg | 約60% |
| 中級者・女性 体重55kg | 11kg | 18kg | 約61% |
いずれも片手あたりの1RM(kg)で、2026-08-08にStrength Levelのダンベルフライとダンベルベンチプレスの各ページから取得した値です。切り口を変えてもおおむね6割に収まります。
フライのほうが軽くなるのはなぜか
理由は動作の違いにあります。ダンベルプレスは肘を曲げ伸ばししながら押す種目で、大胸筋のほかに上腕三頭筋や肩も動員されます。一方フライは肘の角度を固定したまま、肩関節だけで腕を閉じる動きです。関わる関節が減れば、動かせる重量も下がります。
もうひとつ、腕を広げきった位置での姿勢が効いてきます。肘を伸ばした状態で腕を横に開くと、肩からダンベルまでの距離がプレスより長くなります。同じ重さでも、体から遠いところにあるほど腕を押し開こうとする力は強く働きます。フライで一番きついのが一番下の位置なのはこのためで、扱える重量はその位置に合わせて決まります。
筋活動の実測でも差が出ています。Solstadらが2020年に発表した研究(トレーニング経験のある男性17名)では、それぞれの6RM負荷で比べたとき、バーベルベンチプレスのほうが大胸筋・三角筋前部・上腕三頭筋の活動が高く(8〜81%高い)、逆にダンベルフライのほうが拮抗筋である上腕二頭筋の活動が高い(57〜86%高い)と報告されています。フライでは肘を支える働きが加わることが、数字にも表れている形です。
なお大胸筋そのものの働きは、StatPearlsの記述では肩関節における腕の屈曲・内転・内旋とされています。フライはこのうち腕を閉じる動きを、肘を伸ばした状態で行う種目にあたります。
実際に決める手順
ダンベルプレスで10回できる重量を確認する― 片手あたりで数えます。20kgでプレスが10回できるなら、フライは12kg前後が出発点です(6割)
腕を広げきった位置で止められるか確かめる― 一番下で動きを止められない重量は、出発点としては重すぎます。止まるところまで下げてから回数を数え始めます
肘の角度が変わらない範囲に収める― 回数の後半で肘が伸びたり深く曲がったりするなら、その重量では最後まで同じ動きを保てていません
全セットで目標回数を通せたら1段階だけ上げる― 基準を先に決めておくと、その日の感覚に左右されません。上げた直後に回数が落ちるのは想定内です
伸ばし方の考え方自体は単純で、厚生労働省のe-ヘルスネットが言う「慣れてきたら少しずつ負荷を高めていく(=漸進性過負荷の原則)」そのものです。問題は「少しずつ」を何で判断するかで、これは前回の重量と回数が数字で残っていないと回りません。記録する項目の決め方は筋トレ記録のつけ方にまとめていますが、フライについては重量を必ず片手あたりで統一して書くことだけ守ってください。
フライは1段階が2kgや2.5kgと刻みが大きく、重量が数か月動かないこともあります。同じ12kgでも8回が12回になっていれば前進していますが、重量の欄だけを見ていると停滞に見えます。推定1RMに直すと同じものさしに載るので、記録の読み方は筋トレの成果を見える化する方法を参照してください。
ダンベルフライの基本のやり方
重量が中心の記事なので、フォームは要点だけにまとめます。
ベンチに仰向けになり、ダンベルを胸の真上に構える — 手のひらは向かい合わせにする
肘を軽く曲げ、その角度で固定する — この角度を最後まで変えないのがフライの条件
弧を描くように腕を横に開いていく — 肘が伸び縮みし始めたらプレスの動きに変わっている
胸の高さあたりで止め、同じ軌道で戻す — 下ろす深さを毎回そろえないと前回と比較できない
上でダンベルをぶつけずに止める — 手前で止めると次の1回まで負荷が抜けない
下ろす深さをどこまでにするかは、可動域の広さによって変わります。集計データ側にも深さの基準は定められていないため、自分の中で毎回同じ深さにそろえることのほうが、他人と深さを合わせることより記録の比較には効いてきます。
まとめ
- ダンベルフライの平均重量は男性23kg・女性12kg。ただし片手1個あたりで、1RMの数字
- 10回できる重量はおよそ1RMの75%。男性17kg・女性9kgが換算の目安
- レベルの区切りは投稿記録の中での順位。中級者がちょうど真ん中で、これが「平均」として引用される
- 体重別の表は自分の体重の行で見る。元データは男性140kg・女性120kgまである
- ダンベルプレスとの比はおよそ6割。平均でも体重別の中級者どうしでも約60%に収まる
- フライがプレスより軽くなるのは、肘の角度を固定して肩関節だけで動かすため。一番下で最もきつくなる位置に合わせて重量が決まる
- 6割はあくまで出発点。そこから先を決められるのは自分の前回の記録だけ
まずはプレスの6割で1セット記録するところから始めてください。次の重量を決めるのは、平均表ではなく前回の自分の数字です。


