サイドレイズの平均重量は、男性16kg・女性9kgです(Strength Level、2026-08-08確認)。ただしこの数字は1回だけ挙げられる重量(1RM)の推定値で、片手のダンベル1個あたりの重さです。10回続けるセットに直すと男性で12kg前後になります。「上級者でも10kg以下」という話と平均16kgが食い違って見えるのは、比べているものが違うからです。この記事では、レベル別・体重別の目安表と、その数字を自分のセットの重量にどう翻訳するかを整理します。

主に効く部位
三角筋 中部腕を横に上げる動き
器具
ダンベル重さは片手1個あたり
平均(1RM推定)
男性 16kg女性は 9kg
10回で扱う目安
12kg男性平均16kgの75%(推定)

サイドレイズの平均重量とレベル別の目安

Strength Levelは、ユーザーが投稿した記録を集計して種目ごとの基準値を公開しているサイトです。ダンベルサイドレイズは314,512件の記録が集計対象になっています(2017年5月17日〜2026年3月5日、2026-08-08確認)。

サイドレイズの平均重量の目安(kg
レベル男性女性
初心者43
初級者95
中級者158
上級者2312
エリート3217

出典: Dumbbell Lateral Raise StandardsStrength Level2026-08-08 確認)

男性は体重70kg・女性は体重55kgの行を抜き出した値です。数字は1RM(1回だけ挙げられる重量)の推定値で、片手のダンベル1個あたりの重さ。海外ユーザーの自己申告データのため、日本の平均とは差がある可能性があります

レベルの区分は、記録を投稿した人の中での位置で決まっています。「中級者」は真ん中という意味で、上級者やエリートは競技志向の層です。

レベル記録を投稿した人の中での位置練習期間の目安
初心者(Beginner)5%より強い1か月以上正しく行っている
初級者(Novice)20%より強い6か月以上定期的に取り組んでいる
中級者(Intermediate)50%より強い(ちょうど真ん中)2年以上定期的に取り組んでいる
上級者(Advanced)80%より強い5年以上続けて伸ばしている
エリート(Elite)95%より強い5年以上、競技レベルを目指している

出典: Dumbbell Lateral Raise Standards(Strength Level、2026-08-08確認)。練習期間は目安として示されているもので、期間を満たせばその重量に届くという意味ではありません。

体重別の目安(男性)

体重が増えれば扱える重量も上がるため、自分の体重の行で見たほうが実態に近くなります。単位はkg、片手1個あたりの1RM推定値です。

体重初心者初級者中級者上級者エリート
50kg26111826
55kg36121928
60kg37132029
65kg48142231
70kg49152332
75kg59162433
80kg510162534
85kg610172635
90kg611182737
95kg612192838
100kg712192839

体重別の目安(女性)

体重初心者初級者中級者上級者エリート
40kg2471115
45kg2581216
50kg3581216
55kg3581217
60kg3691317
65kg3691318
70kg3691418
75kg46101419
80kg46101419

いずれも出典は同じページです(Strength Level、2026-08-08確認)。元データは男性140kg・女性120kgまで掲載されているので、この範囲を超える場合はリンク先を確認してください。

表の数字の読み方|1RMと「10回できる重量」は別物

この表を見て「自分は5kgなのに平均16kg」と落ち込む必要はありません。比べる対象がずれているからです。

Strength Levelの数字は1RM、つまり1回だけなら挙げられる重量の推定値です。一方、多くの人がサイドレイズでやっているのは10回や15回のセットです。1回だけの重量と10回続けられる重量は、同じ数字にはなりません。

回数と重量の関係は推定式で翻訳できます。1RM計算機で使われるEpley式とBrzycki式は、10回のときにちょうど一致し、1RMの75%になります。男性の平均16kgなら10回の目安は12kg、女性の平均9kgなら7kg弱です。中級者(男性・体重70kg)の15kgも、10回に直せば11kg程度になります。

1RM計算機(%1RM換算表つき)重量と回数を入れると1RMを推定できます。逆に1RMから回数ごとの重量も引けるので、平均値を自分のセットに翻訳できます(登録不要)

もうひとつ、読み違えやすいのが単位です。Strength Levelは「ダンベルの重量は1個あたりで、通常2kgのバー重量を含む」と注記しています。男性16kgというのは、16kgのダンベルを両手に1つずつ持つという意味で、両手合計8kgずつではありません。

平均より軽くても問題にならない3つの理由

1. データが海外ユーザーの自己申告である

Strength Levelはユーザーが自分で投稿した記録の集計です。実施条件を統一した測定ではありません。集計側で不自然なデータを除く処理は入っていますが、そもそもわざわざサイドレイズの記録を投稿する人に偏るデータであることは変わりません。日本のジム利用者の分布を表した数字ではないと考えておくのが安全です。

2. 可動域と反動で必要な重量が大きく変わる

サイドレイズは、重さより動かし方で難易度が変わる種目です。三角筋の外側部が働く範囲は決まっていて、StatPearlsの解剖記述では腕を15度から100度まで上げる動きを担当するとされています。さらに三角筋は外転の動き出しそのものを単独では起こせず、最初の部分は回旋筋腱板が担当します。

つまり、上げ切る高さを競ったり、勢いをつけて振り上げたりしても、その分だけ狙った部分の仕事が増えるわけではありません。同じ8kgでも、反動を使って振り上げる場合と、止めた姿勢からゆっくり通す場合では別の運動になります。重量だけを取り出して他人と比べても、条件がそろっていないのはこのためです。

3. 目的が「重量の記録」ではない

サイドレイズは、ベンチプレスやスクワットのように重量そのものを競う種目として扱われることがほとんどありません。実際、上位に出てくる記事の多くも10kg前後を上限の目安として紹介しています。平均表は自分の位置を知る参考にはなりますが、この種目で数字を追いかけることが目的にはなりません。

重量を伸ばす順番|重さの前に回数と動作の質

伸ばし方の考え方自体は単純で、厚生労働省のe-ヘルスネットが説明する漸進性の原則そのものです。同ページは「体力・競技力の向上に伴って、運動の強さ・量・技術課題を次第に高めていくことです。いつまでも同じ強度の繰り返しではそれ以上の向上は望めません」と定義しています。同じサイトの情報シートも、慣れてきたら少しずつ負荷を高めていくこと(漸進性過負荷の原則)が重要としています。

問題は「次第に」の部分を何で判断するかです。サイドレイズは1段階の刻みが2kgや2.5kgと大きく、体感で決めると上げすぎて反動頼みになりがちです。順番を決めておくと迷いません。

  1. まず回数を伸ばす― 同じ重量のまま、反動なしで通せる回数を増やします。8回だったものが12回になれば、重量が同じでも前進しています

  2. 次に動作の質をそろえる― 上げる速さ、下ろす速さ、上体の角度を毎回同じにします。条件が変わると、前回との比較そのものが成立しません

  3. 基準を満たしたら1段階だけ上げる― 「全セットで目標回数を反動なしで達成できたら次回上げる」のように、基準を先に決めておきます。上げたあと回数が落ちるのは想定内で、そこからまた回数を戻していきます

この順番が機能するのは、前回の重量と回数が数字で残っている場合だけです。1週間前に何kgで何回だったかを正確に思い出せる人は多くありません。記録の始め方は筋トレ記録のつけ方にまとめていますが、サイドレイズなら重量・回数に加えて「反動を使ったか」を残しておくと判断が速くなります。

回数だけが伸びている時期は、重量が横ばいのため停滞に見えます。推定1RMに直すと同じものさしに載るので、前進しているかどうかが数字で分かります。記録の読み方はトレーニングの伸びを可視化する方法で扱っています。

サイドレイズの基本のやり方

重量の話が中心の記事なので、フォームは要点だけにまとめます。

  1. 足を肩幅に開いて立ち、ダンベルを体の横に持つ肘は軽く曲げたまま固定する

  2. 肘から先に持ち上げるつもりで、腕を横に開く手首を先行させると前腕に逃げる

  3. 肩の高さまで上げたら止めるそれ以上高く上げても中部の担当範囲を超える

  4. 同じ速さで下ろす下ろす動作を雑にすると負荷が抜ける

  5. 体を振らずに繰り返す振らないと続かない重量なら、1段階落とす

上げ切る高さを肩までにしているのは、三角筋の外側部が担当するのが15度から100度の範囲だからです(StatPearls)。それより上は肩甲骨側の動きが主役になるため、高さを追う意味が薄くなります。

まとめ

  • サイドレイズの平均重量は男性16kg・女性9kg。ただし1RM(1回だけ挙げられる重量)の推定値で、片手のダンベル1個あたりの重さ
  • 10回のセットに直すと1RMの約75%。男性の平均なら12kg前後にあたる
  • レベル別・体重別の表は、体重の行で見ると実態に近い。中級者は記録を投稿した人のちょうど真ん中
  • データは海外ユーザーの自己申告なので、日本のジム利用者の分布とは一致しない
  • 三角筋の外側部が担当するのは腕の角度15度から100度。高く上げることや反動で振ることは、重量以上に結果を変える
  • 伸ばす順番は「回数 → 動作の質 → 重量1段階」。前回の数字が残っていないと、この順番は回らない

平均表で分かるのは、他人の分布の中でのだいたいの位置までです。次に何kgにするかを決められるのは、自分の前回の記録だけです。