「Apple Watchで筋トレを記録したい」と思ったときに効いてくるのは、Watchアプリがあるかどうかではなく、時計だけでどこまで進められるかです。開始・セットの記録・重量の入力・終了のうち1つでも欠けると、結局そこでiPhoneを取り出すことになります。

この記事では、Apple Watchに対応している筋トレ記録アプリを5本、その一点だけで並べます。事実は各アプリの公式ヘルプとApp Storeの掲載(いずれも2026年8月7日確認)に限り、確認が取れなかった項目は「公開情報からは確認できなかった」と書いています。

「時計だけで完結するか」を5つの観点に分ける

Watch対応の「○」だけを並べても選べません。ジムでiPhoneを出す回数が決まるのは、次の5か所です。

  1. Watch単体でワークアウトを開始できるか — ここが×だと、始めるたびにiPhoneが要ります
  2. セットの記録と重量の入力ができるか — 表示だけなのか、その場で数字を直せるのかで意味が変わります
  3. iPhoneを出さずに終われるか — 見落とされがちですが、最後の1タップのために取りに戻る設計はあります
  4. レストタイマーの扱い — 手元でカウントが見えるか、通知だけか
  5. watchOSの要件 — 手持ちのApple Watchに入るかどうか。ここは他の4つより先に効きます

取り上げるのは、App Storeの互換性欄にApple Watchが載っている、または説明文にApple Watch対応の記載があるLiftLog・Hevy・Strong・バーンフィット・Gymworkの5本です。

5本のApple Watch対応(一覧)

Apple Watchでどこまでできるか(2026年8月7日時点)
アプリWatch単体で開始セット記録・重量入力Watchで終了レストタイマー必要なwatchOS
LiftLog○(テンプレートまたは空で開始)○(セット完了・重量・回数・RPEの編集)×(終了はiPhone側)残り時間の表示と−15秒・+15秒・スキップ11.0以降
HevyルーティンをWatchで使用(開始手順の記載は確認できず)セットの記録とセット種別の分類(説明文に記載)手順の記載は確認できず(iPhone再接続で自動保存の記載あり)タイマーあり(説明文に記載)8.0以降
Strong記載は確認できず(Handoffで端末をまたげる)○(重量とレップの編集・ウォームアップセット)記載は確認できずタイマーあり(公式ヘルプに記載)10.0以降
バーンフィット公開情報からは確認できず公開情報からは確認できず公開情報からは確認できず公開情報からは確認できず8.0以降
Gymwork互換性欄にApple Watchの記載なし同上同上Apple Watchへのバイブ通知(説明文に記載)互換性欄に記載なし

出典は各アプリのApp Store日本ストアの掲載および公式ヘルプ(いずれも 2026-08-07 閲覧)。「確認できず」は公開されている情報に記載を見つけられなかったという意味で、機能が無いことを示すものではありません。仕様は更新で変わります

観点1:Watchだけでワークアウトを始められるか

LiftLog は、App Storeの説明に「Apple Watch対応:Watch単体でワークアウトを開始し、重量・回数・RPEの編集やレストタイマーの確認ができます」と記載しています。時計側の開始メニューにはiPhoneで作ったテンプレートが並び、そこから選ぶか「空のワークアウト」を押すと始まります。テンプレート一覧はiPhoneと同期したあとに表示されるので、Watchを新調した直後は一度iPhone側のアプリを開いておく必要があります。

Hevy はApp Storeの説明の「APPLE WATCH」欄に「Apple WatchでHevyルーティンを使用」と書かれており、時計側でルーティン(テンプレート)を呼び出せることまでは確認できます。ただし「Watchだけで新しいワークアウトを始める手順」を説明した公式のページは見つけられませんでした。

Hevy公式サイトのトップページ。「Log Workouts Get Stronger Stay Motivated」という見出しと、iOS・Android向けの無料ワークアウトトラッカーである旨の説明、App StoreとGoogle Playのバッジが並び、右側にワークアウト記録画面のiPhoneとApple Watchの製品写真が置かれている
出典: Hevy 公式サイト(https://www.hevyapp.com/)2026-08-01 取得。画像の著作権は Hevy に帰属します。引用の目的でそのまま掲載しています

Strong の公式ヘルプは、Apple WatchアプリがContinuityとHandoffに対応していて、片方の端末で始めたワークアウトをもう片方で続けられると説明しています。Live Syncを有効にすれば、同じワークアウトをApple WatchとiPhoneの両方で同時に扱えるとも書かれています。ただし「Watchから開始する」という手順そのものの記載は確認できませんでした。単体の使い方はStrongアプリの使い方にまとめています。

バーンフィット はApp Storeの互換性欄にApple Watch(watchOS 8.0以降)が含まれますが、Watchでできる操作の範囲を説明した公式ページは見つけられませんでした。Gymwork は互換性欄にApple Watchの記載自体がなく、説明文の「Apple Watch対応でバイブ通知も可能」という一文が公開情報で確認できる範囲です。

観点2:セットの記録と重量の入力

ここが「表示だけ」で終わるか「その場で直せる」かは、使い勝手にそのまま出ます。予定どおりの重量で終わる日ばかりではないからです。

LiftLog は画面いっぱいの「セット完了」ボタンが主役で、Series 9以降のダブルタップ(人差し指と親指を合わせる操作)にも割り当ててあるため、バーやダンベルを持ったままでも進められます。数字を直したいときはセット情報をタップすると編集画面が開き、重量はDigital Crownを回して2.5kg刻み、回数は−/+ボタン、RPE(きつさ)は6.0〜10.0を0.5刻みのボタンで選びます。

Hevy はApp Storeの説明の「APPLE WATCH」欄に「筋トレのセット数を簡単記録」「ウォームアップ、通常、ドロップセット、失敗、スーパーセットとセットを分類」と記載しています。App Storeの日本のレビューにも「ライブシンクに対応しているので、手元で重量やセット数を確認できます。さらに、前回の同じ種目の重量やセット数との比較も表示されるため、成長がわかりやすく、トレーニング中の判断もしやすいです」(★4・2026年3月)という投稿があります。使い方全体はHevyの使い方完全ガイドにまとめています。

Strong は公式ヘルプが、Apple Watchで重量とレップの編集、ウォームアップセット、タイマー、心拍数とカロリーの記録ができると説明しています。同じページに「Strongのすべての機能がApple Watchで使えるわけではない」とも明記されていて、プレート計算機とウォームアップ計算機はWatch非対応です。

この観点でLiftLogが届いていないところも2つあります。心拍数とカロリーの記録には対応していません(HevyとStrongはどちらも記載があります)。それと、Watchから種目を追加することもできません。当日その場で種目を足したくなったら、iPhoneを開くことになります。

RPEを手元で残し始めると、次は「この重さでこの回数なら、次は何キロか」が問題になります。換算は先に済ませておくと当日迷いません。

RPE換算計算機RPEと回数から1RMを推定し、次のセットの目標重量まで計算できます(登録不要)

観点3:iPhoneを出さずに終われるか

5本の中で、「Watchだけでワークアウトを終了できる」と公式に説明しているものは見つけられませんでした

LiftLog は、全セットを終えるとWatchに「iPhoneで終了してください」と表示され、終了操作はiPhone側で行います。iPhoneが本体でWatchはリモコン、という設計をそのまま残している部分です。記録そのものはWatchで進むので、ジムを出る前にiPhoneで1回締める、という流れになります。

Hevy はApp Storeの説明に「iPhoneに再接続すると、トレーニングが自動保存されているのが確認できます」と書かれています。iPhoneと離れているあいだも時計側で記録を進め、あとから同期する前提の書き方です。Watch上での終了操作そのものの手順は確認できませんでしたが、iPhoneを持たずに使う想定であることは公開情報から読み取れます

Strong は公式ヘルプにLive SyncとHandoffの説明はあるものの、終了操作をどちらの端末で行うかの記載は確認できませんでした。

観点4:レストタイマーの扱い

LiftLog はセットを完了すると自動でレストが始まり、Watchでは下方向のページに残り時間が出ます。−15秒・+15秒・スキップが手元から押せて、時間になると振動で知らせます。手動でレストを開始する操作はWatch側に用意していないので、レストを自分のタイミングで始めたい場合はiPhoneかロック画面のタイマーを使うことになります。

Hevy はApp Storeの説明の「APPLE WATCH」欄に「続けてエクササイズを行うのに便利なタイマー」とあり、Strong も公式ヘルプがApple Watchのタイマーに触れています。Gymwork は説明文の「セット完了後に自動でタイマー開始」「Apple Watch対応でバイブ通知も可能」という記載どおり、時計は通知の受け口として使う形です。時計側でカウントを操作できるかまでは確認できませんでした。詳しくはGymworkの評判にまとめています。

バーンフィット については、Watch側のレストタイマーの仕様を説明した公式ページを見つけられませんでした。無料の範囲で接続まで確かめてから判断するのが確実です(バーンフィットの評判と料金)。

観点5:watchOSの要件は先に見る

機能を比べる前に、そもそも手持ちのApple Watchに入るかどうかで候補が決まります。

App Storeの互換性欄に記載されている watchOS 要件(2026-08-07 時点)
アプリ必要なwatchOS
HevywatchOS 8.0以降
バーンフィットwatchOS 8.0以降
StrongwatchOS 10.0以降
LiftLogwatchOS 11.0以降
Gymwork互換性欄にApple Watchの記載なし

出典は各アプリの App Store 日本ストアの「情報」欄(2026-08-07 閲覧)。要件はアップデートで引き上げられることがあります

この表でいちばん厳しいのはLiftLogです。 watchOS 11.0以降なので、数世代前のApple Watchを使っているなら入れられません。逆にHevyとバーンフィットはwatchOS 8.0以降で、古い端末でも候補に残ります。自分の時計で上げられるwatchOSの上限は、iPhoneのWatchアプリか、Apple Watchの設定>一般>情報から確認できます。

Watch中心で使いたいならこれ

条件ごとに答えを書きます。

  • 手元だけで開始からセットの記録まで進めたいLiftLog。Watch単体での開始と、重量・回数・RPEの編集が公開情報で確認できます。ただし終了操作はiPhone側です
  • iPhoneを完全にロッカーへ置いて離れたいHevy。「iPhoneに再接続すると、トレーニングが自動保存されている」という記載があり、離れて使う想定であることが読み取れます
  • 心拍数とカロリーもWatchに残したいHevyかStrong。どちらも公開情報に記載があります。LiftLogは非対応です
  • 数世代前のApple Watchを使っているHevyかバーンフィット(watchOS 8.0以降)。StrongとLiftLogは要件が上がります
  • 時計はインターバル通知だけ受け取れれば十分Gymworkでも足ります。記録はiPhoneで行う前提です
  • HevyとStrongで迷っている → 比較はHevyとStrongを徹底比較にまとめています

ひとことでまとめると、「iPhoneをどこまで手放したいか」で答えが変わります。ベンチの脇にiPhoneを置いておけるなら手元の操作性で選べますし、完全に離れたいなら離れて使う前提のアプリを選ぶことになります。

LiftLogのWatchでできること・できないこと

数字を触るところまで手元で完結させたい場合の選択肢として、LiftLogのWatchアプリの範囲をそのまま書きます。

できること

  • テンプレートを選ぶ、または空のワークアウトで開始する
  • セット完了(大きなボタン/Series 9以降のダブルタップ)
  • 重量をDigital Crownで2.5kg刻みに合わせる、回数を−/+で増減する、RPEを0.5刻みで選ぶ
  • レストの残り時間の確認と、−15秒・+15秒・スキップ

できないこと

  • ワークアウトの終了(iPhoneで行います)
  • 種目の追加や並べ替え
  • 心拍数・カロリーの記録
  • iPhoneと通信できない状態での即時反映(つながったときにまとめて反映されます)

iPhone側の操作、AIトレーナー、ロック画面のレストタイマーまで含めた全体はLiftLogの使い方にまとめています。

まとめ

  • 比べるべきは「Watch対応かどうか」ではなく、開始・記録・終了・タイマー・watchOS要件の5か所
  • Watch単体での開始と数値の編集が公開情報で確認できたのはLiftLog。iPhoneと離れて使う前提であることが読み取れるのはHevy
  • 「終了までWatchで完結する」と公式に説明しているアプリは、5本の中に見つけられなかった
  • 心拍数とカロリーを残したいならHevyかStrong。LiftLogは非対応
  • watchOS要件はHevy・バーンフィットが8.0、Strongが10.0、LiftLogが11.0。古い端末ほど先に候補が絞られる

最終的には、無料の範囲でWatchアプリを入れて、1回のワークアウトを最後まで通してみるのがいちばん確実です。開始できるか、数字を直せるか、最後にiPhoneが要るかは、1セッション試せば分かります。

次のセッションの目標重量を先に決めておくと、手元での修正が減ります。

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