「アームカールの平均重量」という単一の数字は存在しません。男性の代表値だけ先に挙げると、ダンベルカールは片手21kg、バーベルカールはバー込みで45kg(いずれも1RM、Strength Level、2026-08-11確認)です。片手か合計かのどちらで見るかだけで、印象は簡単に倍近く変わります。カール系5種(ダンベル・バーベル・ケーブル・プリーチャー・コンセントレーション)の集計を同じ土俵に並べ直すと、器具ごとにばらばらに見えていた数字はもっと単純な形に収まります。
- 主に効く部位
- 上腕二頭筋肘を曲げる種目の総称
- 器具
- ダンベル・バーベル・ケーブルなど集計は器具ごとに別
- 重量の数え方
- 器具で3通り片手/バー込み合計/注記なし
- 多い組み方
- 3セット×10回5種すべてで最頻
- 男性の平均(ダンベル片手)
- 21kg1RM・Strength Level(推定)
アームカールの平均重量|器具別5種の一覧
| 種目 | 男性の平均 | 女性の平均 | 重量の数え方 | 有効結果 |
|---|---|---|---|---|
| ダンベルカール | 21kg | 12kg | ダンベル1個あたり(シャフト2kg込み) | 957,996件 |
| バーベルカール | 45kg | 24kg | バー込みの合計(バー20kg) | 752,509件 |
| ケーブルカール | 49kg | 25kg | ページに記載なし | 51,412件 |
| プリーチャーカール | 43kg | 25kg | バー込みの合計(バー20kg) | 102,499件 |
| コンセントレーションカール | 21kg | 13kg | ダンベル1個あたり(シャフト2kg込み) | 36,071件 |
出典: Dumbbell Curl Standards for Men and Women (kg)(2026-08-11 確認)
※ 5つは別々の集計で、同じ人が5種を測った差ではありません。女性はコンセントレーション2,587件・プリーチャー5,356件と母数が小さく、ばらつきが大きくなります
「アームカール」という一つの平均は存在しない
集計サイトに「アームカール」というページはありません。同じサイト内でも、器具ごとに別ページとして完全に切り離されています。媒体によって「アームカールの平均は12.6kg」「25.2kg」「18kg」のように紹介されている数字が食い違って見えるのは、見ている器具と数え方が違うためです。どの数字が間違っているという話ではなく、そもそも比べている前提が別だということです。
数え方が3通りに分かれている
同じサイト内でも、重量の数え方は器具によって3通りに分かれています。
- ダンベル系(ダンベルカール・コンセントレーションカール)=1個あたり・シャフト2kg込み
- バーベル系(バーベルカール・プリーチャーカール)=バー20kg込みの合計。プリーチャーはマシンのイメージを持たれがちですが、集計上はバーベル扱いです。プリーチャー台はバーベル・EZバー・ダンベル・マシンのどれでも成立するため、ダンベル1個で行っている場合はこの数え方に当てはまりません
- ケーブル・マシン=数え方の注記が見当たりません。「表示重量」と断定できる根拠は確認できませんでした
同じ土俵に並べ直す
ダンベル系の数字を2倍して合計に直すと、5種は近い範囲に収まります。
| 種目 | 公開値 | 合計に直すと | バーベル45kg比 |
|---|---|---|---|
| ダンベルカール | 片手21kg | 42kg | 93% |
| コンセントレーションカール | 片手21kg | 42kg | 93% |
| バーベルカール | 45kg(バー込み) | 45kg | 100% |
| プリーチャーカール | 43kg(バー込み) | 43kg | 96% |
| ケーブルカール | 49kg | 49kg | 109% |
※ 公開されている値から計算した合計値です。5つは別々の集計であり、同じ人が5種を測った差ではありません
| 種目 | 公開値 | 合計に直すと | バーベル24kg比 |
|---|---|---|---|
| ダンベルカール | 片手12kg | 24kg | 100% |
| コンセントレーションカール | 片手13kg | 26kg | 108% |
| バーベルカール | 24kg(バー込み) | 24kg | 100% |
| プリーチャーカール | 25kg(バー込み) | 25kg | 104% |
| ケーブルカール | 25kg | 25kg | 104% |
※ 公開されている値から計算した合計値です。5つは別々の集計であり、同じ人が5種を測った差ではありません
合計に直した値は男性42〜49kg、女性24〜26kgの範囲に収まります。「器具が違うから数字が違う」のではなく、数え方が違うから違って見える部分が大半だということです。
器具別の平均重量とレベル別の目安
レベルの区切りは、記録を投稿した人の中での順位で決まっています。5種に共通する定義は次のとおりです。
| レベル | 記録を投稿した人の中での位置 | 練習期間の目安 |
|---|---|---|
| 初心者(Beginner) | 5%より強い | 1か月以上正しく行っている |
| 初級者(Novice) | 20%より強い | 6か月以上定期的に取り組んでいる |
| 中級者(Intermediate) | 50%より強い(ちょうど真ん中) | 2年以上定期的に取り組んでいる |
| 上級者(Advanced) | 80%より強い | 5年以上続けて伸ばしている |
| エリート(Elite) | 95%より強い | 5年以上、競技レベルを目指している |
出典: Strength Level(2026-08-11確認)。中級者がちょうど真ん中なので、一般に「平均」として引用されるのはこの値です。
ダンベルカールの平均重量
平均は男性21kg・女性12kg。片手あたり、シャフト2kg込みの1RMです。
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者 | 7 | 4 |
| 初級者 | 13 | 7 |
| 中級者 | 21 | 12 |
| 上級者 | 31 | 18 |
| エリート | 42 | 25 |
出典: Dumbbell Curl Standards (kg)/Strength Level(2026-08-11 確認)
※ 数値はダンベル1個あたり・シャフト分(通常2kg)込みで、1回だけ挙げられる重量(1RM)の水準です。有効結果957,996件(コミュニティ記録3,634,702件・2017-03-19〜2026-03-05)にもとづく海外ユーザーの自己申告データのため、日本のジム利用者の分布とは差がある可能性があります
有効結果957,996件はカール系5種で最大です。左右は交互に行っても同時に行ってもかまいません。10回できる重量に直すと、男性は約16kg・女性は約9kgです。
バーベルカールの平均重量
平均は男性45kg・女性24kg。バー込みの合計の1RMです。
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者 | 19 | 8 |
| 初級者 | 30 | 15 |
| 中級者 | 45 | 24 |
| 上級者 | 62 | 36 |
| エリート | 82 | 50 |
出典: Barbell Curl Standards (kg)/Strength Level(2026-08-11 確認)
※ 数値はバー(通常20kg)を含む合計重量で、1回だけ挙げられる重量(1RM)の水準です。有効結果752,509件(コミュニティ記録2,565,545件・2016-03-26〜2026-03-10)にもとづく海外ユーザーの自己申告データのため、日本のジム利用者の分布とは差がある可能性があります
初心者19kg・女性8kgは、注記のとおり空のバー20kgに届きません。分布から計算された水準であって、そのままバーで再現できる重量ではないということです。10回できる重量に直すと、男性は約34kg・女性は約18kgです。
ケーブルカールの平均重量
平均は男性49kg・女性25kg。5種のうち唯一、数え方の注記がありません。
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者 | 17 | 8 |
| 初級者 | 31 | 15 |
| 中級者 | 49 | 25 |
| 上級者 | 71 | 38 |
| エリート | 97 | 53 |
出典: Cable Bicep Curl Standards (kg)/Strength Level(2026-08-11 確認)
※ ダンベル・バーベルのページにある「1個あたり」「バー込み」のような数え方の注記が見当たりません。1回だけ挙げられる重量(1RM)の水準です。有効結果51,412件(コミュニティ記録260,203件・2019-10-03〜2026-03-05)にもとづく海外ユーザーの自己申告データのため、日本のジム利用者の分布とは差がある可能性があります
滑車のかかり方はマシンごとに違い、同じ設定でも実際にかかる負荷が表示と一致しないことがあります。別のジムの数字と比べないというのが、実務上の結論になります。10回できる重量に直すと、男性は約37kg・女性は約19kgです。
プリーチャーカールの平均重量
平均は男性43kg・女性25kg。バー込みの合計の1RMです。
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者 | 18 | 9 |
| 初級者 | 29 | 16 |
| 中級者 | 43 | 25 |
| 上級者 | 60 | 37 |
| エリート | 79 | 50 |
出典: Preacher Curl Standards (kg)/Strength Level(2026-08-11 確認)
※ 数値はバー(通常20kg)を含む合計重量で、1回だけ挙げられる重量(1RM)の水準です。有効結果102,499件(コミュニティ記録438,838件・2018-12-10〜2026-03-05)にもとづく海外ユーザーの自己申告データのため、日本のジム利用者の分布とは差がある可能性があります
集計上はバーベル扱いですが、台に上腕を固定するぶん肩の関与が抜けます。主働筋の分類は上腕筋側です。10回できる重量に直すと、男性は約32kg・女性は約19kgです。
コンセントレーションカールの平均重量
平均は男性21kg・女性13kg。片手あたり、シャフト2kg込みの1RMです。
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者 | 8 | 5 |
| 初級者 | 14 | 8 |
| 中級者 | 21 | 13 |
| 上級者 | 30 | 18 |
| エリート | 40 | 24 |
出典: Dumbbell Concentration Curl Standards (kg)/Strength Level(2026-08-11 確認)
※ 数値はダンベル1個あたり・シャフト分(通常2kg)込みで、1回だけ挙げられる重量(1RM)の水準です。有効結果36,071件(コミュニティ記録221,835件・2017-12-10〜2026-03-05)にもとづく海外ユーザーの自己申告データで、女性は2,587件と母数が小さく、日本のジム利用者の分布とも差がある可能性があります
主働筋の分類はプリーチャーカールと同じ上腕筋側です。平均こそダンベルカールと同じ21kgですが、初心者は8kg対7kg、エリートは40kg対42kgと、上に行くほど順位が入れ替わります。同じ集計ではないため断定はできませんが、分布の形が違う種目だということです。10回できる重量に直すと、男性は約16kg・女性は約10kgです。
体重別の目安|ダンベルとバーベル
体重が違えば扱える重量も変わります。5種すべてを載せると表が増えすぎるため、ここではダンベルカールとバーベルカールの2種に絞ります。単位はkg・1RMです。
ダンベルカール(片手)男性
| 体重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 55kg | 5 | 10 | 16 | 25 | 34 |
| 60kg | 6 | 11 | 18 | 26 | 36 |
| 65kg | 6 | 11 | 19 | 28 | 38 |
| 70kg | 7 | 12 | 20 | 29 | 39 |
| 75kg | 8 | 13 | 21 | 30 | 41 |
| 80kg | 8 | 14 | 22 | 32 | 42 |
| 85kg | 9 | 15 | 23 | 33 | 44 |
ダンベルカール(片手)女性
| 体重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 45kg | 3 | 6 | 10 | 15 | 21 |
| 50kg | 3 | 6 | 11 | 16 | 22 |
| 55kg | 3 | 7 | 11 | 17 | 23 |
| 60kg | 4 | 7 | 12 | 18 | 24 |
| 65kg | 4 | 8 | 12 | 18 | 25 |
| 70kg | 4 | 8 | 13 | 19 | 26 |
バーベルカール(合計)男性
| 体重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 55kg | 13 | 22 | 33 | 47 | 62 |
| 60kg | 15 | 24 | 36 | 50 | 66 |
| 65kg | 17 | 26 | 39 | 54 | 70 |
| 70kg | 18 | 28 | 41 | 57 | 74 |
| 75kg | 20 | 31 | 44 | 60 | 77 |
| 80kg | 22 | 33 | 46 | 63 | 80 |
| 85kg | 23 | 35 | 49 | 65 | 84 |
バーベルカール(合計)女性
| 体重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 45kg | 5 | 11 | 19 | 29 | 41 |
| 50kg | 6 | 12 | 20 | 31 | 43 |
| 55kg | 7 | 13 | 22 | 33 | 45 |
| 60kg | 8 | 14 | 23 | 34 | 47 |
| 65kg | 8 | 15 | 24 | 36 | 49 |
| 70kg | 9 | 16 | 26 | 37 | 51 |
出典はいずれも同じページです(Strength Level、2026-08-11確認)。握り方を変えるハンマーカールは、この5種とは別の集計になります。
表の数字は「1回だけ挙がる重量」|10回のセットに直す
Strength Levelの数字は1RM、つまり1回だけなら挙げられる重量の推定値です。よく使われるEpley式(1RM = 重量 × (1 + 回数 ÷ 30))とBrzycki式(1RM = 重量 × 36 ÷ (37 − 回数))は、10回のときにちょうど同じ値に一致し、1RM = 重量 × 4/3になります。逆に解けば、10回できる重量はおよそ1RMの75%です。
| 種目 | 男性平均(1RM) | 10回の目安 | 女性平均(1RM) | 10回の目安 |
|---|---|---|---|---|
| ダンベルカール | 21kg | 約16kg | 12kg | 約9kg |
| バーベルカール | 45kg | 約34kg | 24kg | 約18kg |
| ケーブルカール | 49kg | 約37kg | 25kg | 約19kg |
| プリーチャーカール | 43kg | 約32kg | 25kg | 約19kg |
| コンセントレーションカール | 21kg | 約16kg | 13kg | 約10kg |
10回を基準にしたのは、集計されたセットの組み方で5種すべて共通して最も多かったためです(3セット×10回がダンベル男性19%・ケーブル男性22%など)。
1RM計算機重量と回数から最大挙上重量を推定できます。Epley式・Brzycki式の両方と%1RM換算表つき(登録不要)換算式どうしの違いは1RM換算式の違いにまとめています。
日本で測られた数字と比べる
Strength Levelの数字は海外ユーザーの自己申告データですが、日本でも実測データがあります。筋力トレーニング未経験の大学1年生(男性67名・女性36名)を対象にした国内の研究では、アームカールの1RMはトレーニング前で男性25.2±5.5kg・女性15.0±2.0kgでした(体育学研究、2009年、林直亨・宮本忠吉)。週1回・7〜10週のトレーニングで男性30.3kg・女性18.7kgまで伸びています。
日本語圏には、この研究をもとにした2通りの数字が流通しています。25.2kgを2で割った12.6kgを片手の数字として使う流通と、25.2kgをそのままバーベルの数字として使う流通です。原典にはアームカールの器具(バーベル・ダンベル・マシン)の記載がなく、片手か両手かも書かれていません。どちらが正しいと決められる状態ではないため、事実だけを中立に書いておきます。バー込み45kgのバーベルカールと並べると、未経験者の25.2kgは無理のない位置にあるとは言えます。
反動を使えば数字は増える。ただし別の話
平均重量という数字が持つ意味を考えるうえで、もう一つ押さえておきたい研究があります。上肢のレジスタンストレーニングが未経験の若年成人25名を対象に、片腕ダンベルカールを含む種目を8週間・週2回行った比較試験です(Augustinほか, 2025)。左右の腕で「体幹を振らない」条件と「反動で振り上げる」条件を分けたところ、反動あり側の総負荷量は反動なし側のほぼ2倍になりました(片腕ダンベルカール、第1週で22,751kg対11,641kg)。
それでも、上腕二頭筋の厚みの増え方に意味のある差は出ませんでした(+8.0%対+5.8%、群間差0.49mm)。著者の結論は、反動の使用は狙った筋の肥大を助けもしなければ妨げもしなかった、というものです。未経験者・8週間・25名・単関節種目という条件での結果であり、「反動を使ってよい」という話ではありません。
扱えた数字と、狙った結果は別に見る必要があるということです。記録に残すときは器具・片手か合計か・反動の有無をそろえておくと、重量を上げるタイミングを判断しやすくなります。何をどう記録すればよいかは筋トレ記録のつけ方にまとめています。
基本のやり方
5種に共通する動作の骨格は同じです。回外(手のひらを上に向ける動き)を保ったまま肘だけを動かします。上腕二頭筋の長頭は肩甲骨から起こって肩関節をまたぎ、短頭は上腕筋とともに肘だけをまたぎます。角度や肩の位置を変えるバリエーションの解剖はインクラインダンベルカールのやり方で詳しく扱っています。
手のひらを上に向けて握り、肘を体の横に置く― 開始位置をここで固定します
肘の位置を保ったまま前腕だけを巻き上げる― 肩や上体で反動をつけないようにします
前腕が垂直に近づく手前で上げるのをやめる― それ以上は骨で受けて負荷が抜けます
同じ道をゆっくり戻し、肘が伸び切る手前まで下ろす― 反動で振り戻さない範囲で戻します
握り方を変えるハンマーカールのような種目は、上腕筋や前腕側の関与が変わるため、この記事の集計とは別に扱う必要があります。
まとめ
- 数え方は3通り。ダンベル系は1個あたり、バーベル系(プリーチャーを含む)はバー込みの合計、ケーブル・マシンは注記なし
- ダンベル系を2倍して合計に直すと、5種の平均は男性42〜49kg・女性24〜26kgに収まる
- 表の数字は1回だけ挙がる重量。10回のセットに直すとおよそ75%
- 国内の実測では未経験者の1RMが男性25.2kg・女性15.0kg。原典に器具の記載はない
- 記録では器具・片手か合計か・反動の有無をそろえて残す
まずは自分が使っている器具と数え方を1つ決めて、その条件で記録を始めてください。比べる相手は他人の平均ではなく、前回の自分です。



