デッドリフトの平均重量は、トレーニング記録サービスのStrength Levelの集計で男性154kg・女性91kgです。数字には条件が2つ付きます。バー(通常20kg)を含んだ合計重量であることと、1回だけ挙げられる最大重量(1RM)として集計されていることです。実際によく組まれるのは5回セットで、平均154kgを推定式で5回分の重量に直すと132〜137kgという計算になります。体重別・年齢別の目安、表の数字を実施重量に直す方法、ラックプル(ハーフデッドリフト)の平均重量とやり方まで、この記事でまとめて確認できます。
- 主に効く部位
- 背中(脊柱起立筋)大臀筋・ハムストリングスも動員
- 器具
- バーベル床から引く
- 重量の数え方
- バー込みの合計プレートだけではない
- 男性の平均
- 154kgバー込み・1RM
- 女性の平均
- 91kgバー込み・1RM(Strength Level)(推定)
デッドリフトの平均重量|男女別・レベル別
まず全体の分布を確認します。次の表は、トレーニング記録サービスのStrength Levelが公開しているレベル別の重量です。
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者(Beginner) | 80 | 41 |
| 初級者(Novice) | 113 | 63 |
| 中級者(Intermediate) | 154 | 91 |
| 上級者(Advanced) | 202 | 124 |
| エリート(Elite) | 253 | 160 |
出典: Deadlift Standards for Men and Women (kg)/Strength Level(2026-08-11 確認)
※ 海外のトレーニング記録サービスに投稿された自己申告データです。数値はバー(通常20kg)を含む合計重量で、1RM基準です。有効記録6,393,746件は投稿された22,978,599件から絞り込まれたもので、2015年3月16日から2026年3月10日までが対象です
レベルの区切りは、投稿された記録の中での順位で決まっています。初心者は下位5%より強い水準(1か月以上の継続が目安)、初級者は20%(6か月以上)、中級者は50%(2年以上)、上級者は80%(5年超)、エリートは95%より強い水準(5年超・競技志向)です。中級者がちょうど真ん中なので、一般に「平均」として引用されるのはこの中級者の値です。
女性の平均91kgは、男性の平均154kgの約59%にあたります(91÷154。記事側の計算)。
数字は「バー込みの合計重量」
Strength Levelは表の下に「Barbell weights include the weight of the bar, normally 20 kg / 44 lb.」と書いていて、バー(通常20kg)を含む合計重量であることを明示しています。女性の平均91kgは、20kgのバーに合計71kg分のプレートを付けた状態です。
集計の内訳と期間
この集計のもとになっているのは、2015年3月16日から2026年3月10日までに投稿された22,978,599件から絞り込まれた有効記録6,393,746件です。内訳は男性5,398,185件・女性995,561件で、女性は全体の約15.6%です(995,561÷6,393,746。記事側の計算)。
体重別の目安
体重が違えば挙がる重量も変わります。男性から見ていきます。
| 体重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート | 中級者の体重比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 50kg | 46 | 68 | 96 | 129 | 164 | 1.92倍 |
| 60kg | 61 | 86 | 117 | 153 | 191 | 1.95倍 |
| 70kg | 75 | 103 | 137 | 175 | 216 | 1.96倍 |
| 80kg | 89 | 119 | 155 | 196 | 239 | 1.94倍 |
| 90kg | 102 | 134 | 172 | 215 | 260 | 1.91倍 |
| 100kg | 114 | 148 | 188 | 232 | 279 | 1.88倍 |
| 120kg | 137 | 174 | 217 | 265 | 315 | 1.81倍 |
| 140kg | 159 | 198 | 243 | 294 | 346 | 1.74倍 |
女性は次のとおりです。
| 体重 | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート | 中級者の体重比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 45kg | 30 | 48 | 71 | 99 | 129 | 1.58倍 |
| 50kg | 34 | 52 | 76 | 105 | 136 | 1.52倍 |
| 55kg | 37 | 56 | 81 | 111 | 143 | 1.47倍 |
| 60kg | 40 | 60 | 86 | 116 | 149 | 1.43倍 |
| 70kg | 46 | 68 | 95 | 126 | 160 | 1.36倍 |
| 80kg | 52 | 74 | 102 | 135 | 170 | 1.27倍 |
いずれもバー込みの1RM(kg)です。「中級者の体重比」の列は表の値を体重で割った、記事側の計算です。
Strength Level自身も体重比を丸めた形で公開していて、男性中級者は2.00倍、女性中級者は1.50倍としています。ところが体重別の表を実際に割ると、男性は体重70kgで1.96倍、体重140kgで1.74倍というように、体重が重くなるほど倍率が下がっていきます。女性も体重50kgの1.52倍から体重80kgの1.27倍まで下がります。体重の重い人ほど、「体重の何倍か」という測り方では自分を厳しく見積もることになります。
年齢別の目安
Strength Levelは年齢別の表も公開しています。中級者の行だけを抜き出すと、次のようになります。
| 年齢 | 男性(中級者) | 女性(中級者) |
|---|---|---|
| 15歳 | 131 | 77 |
| 20歳 | 150 | 89 |
| 25〜40歳 | 154 | 91 |
| 45歳 | 146 | 86 |
| 50歳 | 136 | 80 |
| 55歳 | 126 | 74 |
| 60歳 | 115 | 68 |
| 65歳 | 104 | 61 |
| 70歳 | 94 | 55 |
| 75歳 | 84 | 50 |
| 80歳 | 75 | 44 |
25〜40歳が横ばいの頭打ちで、そこから下がっていきます。65歳の中級者は男性104kg・女性61kgで、25〜40歳のピークと比べるとどちらも約67%です(104÷154、61÷91。記事側の計算)。
平均に届いていない場合、伸ばす前に確認したいのは年齢だけではありません。重量を足すタイミングの決め方は重量を上げるタイミングにまとめています。
表の1RMを実際のセット重量に直す
表の数字は1回だけ挙がる1RMです。実際に組まれているセットはもっと回数が多く、Strength Levelの集計でも最も多いのは男性が3セット5回(14%)、次いで5セット5回(12%)です。女性も3セット5回・5セット5回がどちらも10%で並びます。
5回できる重量への換算には推定式を使います。Epley式(1RM=重量×(1+回数÷30))で逆算すると、男性の平均154kgは132.0kgになります。Brzycki式(1RM=重量×36÷(37-回数))では136.9kgです。女性の平均91kgは同様に78.0kgと80.9kgになります。2つの式は5回では一致しないため、男性132〜137kg・女性78〜81kgという幅で見るのが実態に近い数字です。
10回まで回数を伸ばすと、Epley式とBrzycki式はどちらも1RMの75%でちょうど一致します。男性の平均なら115.5kg、女性なら68.2kgです。回数別の1RM換算表は1RM換算表にまとめてあります。
推定式そのものにもクセがあります。LeSuerらが1997年に発表した研究は、ウエイトトレーニングの授業を受ける未熟練の大学生67名(男性40名・女性27名)を対象に7つの推定式を検証し、予測値と実測値の相関はどれも高かった(r > 0.95)としながら、7式すべてがデッドリフトの1RMを低く見積もったという結果です。1RM計算機の数字をこの記事の平均値と比べると、実際より低く出やすいということになります。
回数によっても違います。Lovegroveらが2022年に発表した研究では、あと1回で限界という重量(1-RIR)が、3回セットのときデッドリフトで88.2%1RM、ベンチプレスで93.0%1RMでした。同じ「あと1回」という基準でも、種目によって5ポイント近く違います。被験者は17歳前後の男性15名で層が狭いため、種目で違うことの証拠として読んでください。
デッドリフトの1RM計算機重量と回数から1RMを推定できます。デッドリフトは推定式が低めに出やすい種目という注記つきです(登録不要)ベンチプレス・スクワットと合わせた合計の目安は、BIG3の重量目安で体重別にまとめています。
効く筋肉と、重量が止まる場所
主働筋は脊柱起立筋です。ほかの種目のように大きく縮んで伸びるのではなく、姿勢を保つ側として等尺性に働きます。動員される筋は多く、協働筋に大臀筋・大内転筋・大腿四頭筋・ハムストリングス(上半分)・ヒラメ筋、安定筋に僧帽筋中部・上部・肩甲挙筋・菱形筋、拮抗安定筋に腹直筋・腹斜筋が並びます。重量が上がるほど広背筋の関与も大きくなり、背中の種目として扱われる根拠になっています。
握力とその持久力は、高重量での複数回反復を止める要因になりやすい部位です。対処法としては、チョークで滑りを止める、リストストラップを使う、握力そのものを鍛える、片手を順手・片手を逆手にするオルタネイトグリップに変える、の4つが挙げられます。
ここで注意したいのは記録上の話です。ストラップを使った日と使わなかった日を同じ記録として並べると、重量の推移が握力の助けを借りた分だけぶれます。どちらを使ったかも記録に残すか、使い方を固定しておくと、伸びを正しく追えます。
デッドリフトのやり方
足を平らにしてバーの真下に置く― しゃがんでバーを握る位置を作ります
肩幅かやや広めで握る― オーバーハンドまたはミックスグリップを使います
股関節と膝を伸ばし切って立つ― バーを体に近づけたまま引き上げます
上体が丸まっていたら肩を引く― 頂点で背中を軽く伸ばして立ち姿勢を作ります
同じ軌道で戻し、繰り返す― 1回ごとにバーを床に落ち着かせます
コツは4つです。
- 腰を低く、肩を高く。 動作中は腕と背中をまっすぐに保ちます
- 膝はつま先と同じ方向へ。 内側に入ると力が逃げます
- バーは体に近づけて引く。 てこが有利になります
- 1回ごとにバーを床に落ち着かせる。 高重量のバーはたわむため、たわみが解けるところまで可動域に含めるという考え方です。回数をこなす練習でも、床に軽く触れるだけで切り返さないようにします
同じように床から引いて、1回ごとにバーを置き直すバーベル種目にペンドレイローがあります。床に置く工程を可動域に含める考え方は共通です。
ラックプル(ハーフデッドリフト)の平均重量とやり方
ラックのセーフティバーやブロックにバーを置き、膝の前後の高さから引き上げる部分可動域のデッドリフトです。床から引かないぶん、可動域の下半分がありません。ハーフデッドリフトと呼ばれることもあります。前の節で触れた「1回ごとにバーを床に落ち着かせる」という通常のデッドリフトの定義に対して、ラックプルは最初からその工程を持たない種目だということです。
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者(Beginner) | 96 | 55 |
| 初級者(Novice) | 138 | 82 |
| 中級者(Intermediate) | 192 | 116 |
| 上級者(Advanced) | 253 | 155 |
| エリート(Elite) | 320 | 198 |
出典: Rack Pull Standards for Men and Women (kg)/Strength Level(2026-08-11 確認)
※ 有効記録44,143件(男性38,513件・女性5,630件、2019年1月2日〜2026年3月5日)による集計です。デッドリフトの6,393,746件に比べて母数がはるかに小さく、とくに女性は5,630件しかないため、参考値として読んでください。バーを置く高さの指定が集計に無いため、同じ「ラックプル」でも人によって開始位置が違う可能性があります
平均をデッドリフトの平均で割ると、男性が192÷154で約1.25倍、女性が116÷91で約1.27倍になります。これは記事側の計算で、Strength Levelに載っている数字ではありません。デッドリフトとラックプルは別々の集計なので、同じ人が両方を申告しているとは限らない点にも注意してください。
セーフティを膝の少し下〜膝上の高さに合わせる — ― バーをその上に乗せます
バーの真下に足を置く — ― 肩幅かやや広めで握ります
股関節と膝を伸ばして立ち上がる — ― 背中はまっすぐに保ちます
同じ軌道でセーフティまで下ろす — ― 下に落とさず、置き直します
高さを変えると別の種目になるので、セーフティやピンの位置を記録に残しておくことが必要です。
デッドリフトを対象にした研究ではありませんが、11研究を集めた系統的レビュー(Kassianoら・2023年)では、可動域の終盤に絞った部分可動域は、部位によってはフルの可動域より筋肥大で不利になるという結果が出ています。ラックプルは膝から上、筋が縮んだ側の可動域を使う種目にあたるため、この一般論に沿うなら、フルレンジのデッドリフトの置き換えではなく足し算として使うのが無理のない位置づけです。
上位のラックプル解説記事でよく見かける「腰への負担が少ない」「背中だけを鍛えられる」という説明は、裏づけを確認できなかったため、この記事では書きません。
ラックプルはLiftLogの標準の種目一覧には収録されていません。使う場合はカスタム種目として自分で追加することになります(追加数に上限はありません)。「ラックプル(膝上)」のように高さを名前に入れておくと、あとから同じ条件どうしで比べられます。
デッドリフトと同じ「デッドリフト」という名前で記録すると、重量が伸びたのか可動域を短くしただけなのかが分からなくなります。ルーマニアンデッドリフトとデッドリフトの違いで扱ったRDLやスティッフレッグデッドリフトも含めて、動作が違う種目は別の名前で記録してください。記録する項目の決め方は筋トレ記録のつけ方完全ガイドにまとめています。
まとめ
- デッドリフトの平均は男性154kg・女性91kg。バー20kg込みの合計重量で、1RMの数字
- 「体重の2倍」は体重70kg前後の話。体重が重くなるほど倍率は下がり、140kgでは1.74倍になる
- 25〜40歳が頭打ちで、65歳の中級者は男性104kg・女性61kg
- 表の1RMを5回セットの重量に直すと、男性132〜137kg・女性78〜81kgが目安
- 推定式はデッドリフトの1RMを低く見積もりやすい。1RM計算機の数字を平均と比べるときは、その分を差し引いて読む
- ラックプルの平均は男性192kg・女性116kgで、デッドリフトの約1.25〜1.27倍。ただし母数がはるかに小さい別の集計
- ラックプルはデッドリフトとは別の種目として、カスタム種目で分けて記録する



