BIG3(ベンチプレス・スクワット・デッドリフト)の合計の目安は、中級者で男性381kg・女性218kgです。ベンチ96kg・スクワット131kg・デッドリフト154kgという3種目それぞれの中級者の値を足すと、この数字になります。体重比で覚えるなら、男性は体重のおよそ5倍が中級者の水準です。ただしこの合算値は、3種目の分布から中級者の値を1つずつ取って足したもので、同じ1人が3種目ともこの重量を挙げたという意味ではありません

種目
3種目ベンチプレス・スクワット・デッドリフト
器具
バーベル3種目ともバーベル種目
重量の数え方
バー込みの合計通常20kgのバーを含む
合計の呼び方
トータルパワーリフティングの正式な区分
男性の合計(中級者)
381kg3種目の中級者値の単純合算・バー込み1RM(推定)

BIG3の重量目安|合計と3種目のレベル別早見表

次の表は、トレーニング記録サービスのStrength Levelが公開しているベンチプレス・スクワット・デッドリフトそれぞれのレベル別重量(2026年8月11日取得)を、レベルごとに単純に足したものです。中級者なら、ベンチプレス96kg+スクワット131kg+デッドリフト154kg=381kgという計算です。

BIG3合計平均重量の目安(kg・バー込みの1RM合計
レベル男性女性
初心者(Beginner)19592
初級者(Novice)278147
中級者(Intermediate)381218
上級者(Advanced)502301
エリート(Elite)632394

出典: Bench Press / Squat / Deadlift Standards (kg)Strength Level(3ページの値を合算)2026-08-11 確認)

ベンチプレス・スクワット・デッドリフトそれぞれの集計値を足した派生値で、同じ1人がこの3種目を同時に挙げた記録ではありません。海外のトレーニング記録サービスに投稿された自己申告データで、バー(通常20kg)を含む合計重量・1RM基準です

3種目それぞれの目安(内訳)

合計の中身は次のとおりです。

レベル(男性)ベンチプレススクワットデッドリフト
初心者496680
初級者7095113
中級者96131154
上級者127173202
エリート160219253
レベル(女性)ベンチプレススクワットデッドリフト
初心者193241
初級者335163
中級者517691
上級者72105124
エリート97137160

種目ごとの詳しい体重別・年齢別の目安と伸ばし方は、ベンチプレスの平均重量スクワットの平均重量デッドリフトの平均重量でそれぞれまとめています。

レベルの区切りは順位で決まっている

Strength Levelの定義では、初心者は下位5%より強い水準、初級者は20%、中級者は50%、上級者は80%、エリートは95%より強い水準を指します。中級者がちょうど真ん中なので、一般に「平均」として引用されるのはこの中級者の値です。

数字はバー込みの合計重量

Strength Levelは表の下に「Barbell weights include the weight of the bar, normally 20 kg / 44 lb.」と明記していて、バー(通常20kg)を含む合計重量として集計されています。男性のベンチプレス96kgは、20kgのバーに76kg分のプレートを付けた状態です。ダンベル種目の集計は片手あたりの重量なので、数え方が違う点に注意してください。

体重別のBIG3合計の目安

同じ性別でも体重が違えば挙がる重量は変わります。次の表は、Strength Levelが公開している体重別のレベル別重量を、種目ごとに足した合算値です。

男性(体重50〜100kg)

体重初心者初級者中級者上級者エリート
50kg109164232313402
60kg147210287377472
70kg184253338434537
80kg220295385488596
90kg254334429538651
100kg285371471584702

女性(体重40〜80kg)

体重初心者初級者中級者上級者エリート
40kg5596151217291
50kg74119179251331
60kg91140205281366
70kg105160228309396
80kg120176249332423

いずれもバー込みの1RM合計(kg)です。元データは男性140kg・女性120kgまで公開されていて、この表はその一部を抜き出したものです。

体重比で覚えるなら「男性は体重の5.00倍が中級者」

Strength Levelは体重比(体重の何倍か)も種目ごとに公開しています。これも3種目を足すと、覚えやすい数字になります。

レベル男性女性
初心者2.25倍1.55倍
初級者3.75倍2.25倍
中級者5.00倍3.50倍
上級者6.25倍4.85倍
エリート8.00倍6.20倍

男性の中級者はちょうど体重の5倍になります(ベンチ1.25+スクワット1.75+デッドリフト2.00=5.00倍という段階の合算です。初心者なら0.50+0.75+1.00=2.25倍)。

「合計300kg」は体重によって意味が変わる

初心者の目標として「合計300kg」を挙げる書き方をよく見かけます。ただし、この300kgが指す位置は体重によって変わります。

体重(男性)合計300kg合計400kg合計500kg
50kg中級者〜上級者上級者〜エリートエリート超
60kg中級者〜上級者上級者〜エリートエリート超
70kg初級者〜中級者中級者〜上級者上級者〜エリート
80kg初級者〜中級者中級者〜上級者上級者〜エリート
90kg初心者〜初級者初級者〜中級者中級者〜上級者
100kg初心者〜初級者初級者〜中級者中級者〜上級者
体重(女性)合計150kg合計200kg合計250kg
45kg初級者〜中級者中級者〜上級者上級者〜エリート
55kg初級者〜中級者中級者〜上級者中級者〜上級者
60kg初級者〜中級者初級者〜中級者中級者〜上級者
70kg初心者〜初級者初級者〜中級者中級者〜上級者

体重60kgの男性にとっての300kgと、体重90kgの男性にとっての300kgは、同じ表の上で2段階ちがいます。目標として300kgを置くこと自体は分かりやすい数字ですが、どの体重を前提にした数字なのかを添えると、この表と照らし合わせて使いやすくなります。

この合計は「同じ1人の合計」ではない

ここまでの合算値には、もう1段階踏み込んで知っておきたい前提があります。

3種目の集計はそれぞれ別物

Strength Levelの有効記録は、ベンチプレス10,923,537件・スクワット7,039,938件・デッドリフト6,393,746件です。データの期間も種目ごとに違い、ベンチプレスは2015年3月22日から2026年3月10日、スクワットは2015年3月7日から2026年3月8日、デッドリフトは2015年3月16日から2026年3月10日までです。3種目は別々の投稿者・別々の期間から集計された、3つの独立した分布です。同じ人が3種目とも記録を投稿しているとは限りません。BIG3の合計を出す操作は、この3つの分布から同じレベルの値を1つずつ取って足していることになります。

日本記録でも「個別の和」と「合計の記録」は一致しない

このズレの大きさは、公益社団法人 日本パワーリフティング協会のノーギア日本記録一覧表(表内の日付は2026年8月8日)で確かめられます。この表は、種目別(SQ・BP・DL)の日本記録と、合計(TOT)の日本記録を同じ表に載せています。TOTは、同一選手が同一大会で挙げた3種目の合計を指す正式な区分です。

男子74kg級(一般)を見ると、種目別の日本記録はSQ283.5kg・BP212.0kg・DL305.0kgで、単純に足すと800.5kgです。ところがTOTの日本記録は750.0kgで、一致しません。TOTの750.0kgは、宇都木悠選手がSQ272.5kg・BP175.0kg・DL302.5kgで樹立したもので、272.5+175.0+302.5=750.0と計算は合いますが、種目別の日本記録とは別の選手・別の数字です。

階級(男子・一般)SQBPDL個別記録の和TOTの記録
59kg230.0175.0250.0655.0625.0+30.0
74kg283.5212.0305.0800.5750.0+50.5
93kg307.5240.0332.5880.0802.5+77.5
120kg超380.5250.0335.0965.5900.0+65.5

全16階級(男子8階級・女子8階級)で計算すると、例外なくすべての階級で個別記録の和がTOTの記録を上回っていて、差は男子で平均5.7%、女子で平均4.5%でした(いずれも本記事で計算した値です)。日本一の選手ですら、3種目それぞれの最高記録を1人で同時に出しているわけではありません。だからこそ、3種目の分布から値を取って足した合計は、本来の合計よりも高めに出る方向のズレを含んだ、おおよその物差しとして扱う必要があります。

自分の合計は自分で足す

平均表と自分の記録を比べるには、3種目とも1RMに揃えてから足す必要があります。10回できる重量から1RMを出すには、Epley式やBrzycki式の逆算を使い、10回はおよそ1RMの75%にあたります。中級者の合計381kgを10回できる重量に直すと、およそ286kgです。回数と重量から1RMを引く早見表は1RM換算表にまとめています。

3種目とも実際に1RMを測るか、1RM計算機で回数から推定する方法があります。

ベンチプレスの1RM計算機重量と回数からベンチプレスの1RMを推定できます(登録不要) スクワットの1RM計算機重量と回数からスクワットの1RMを推定できます(登録不要) デッドリフトの1RM計算機重量と回数からデッドリフトの1RMを推定できます(登録不要)

3種目のバランスから弱点をさがす

合計だけでなく、3種目の内訳の比率にも読み取れる情報があります。

男性は全レベルで1:1.36:1.60

男性は、初心者からエリートまでどのレベルでも、ベンチプレス:スクワット:デッドリフトの比がおよそ1:1.36:1.60でほぼ一定です。合計に対するシェアに直すと、中級者ならベンチプレス25.2%・スクワット34.4%・デッドリフト40.4%で、初心者からエリートまで25%前後・34%前後・40%前後の範囲にとどまります。

女性はベンチのシェアが上がっていく

女性は男性ほど一定ではありません。ベンチプレスのシェアは初心者の20.7%からエリートの24.6%まで、レベルが上がるにつれて増えていきます。スクワットのシェアは男女とも一貫しておよそ34〜35%で動きません。

自分の内訳と比べる手順

自分の3種目の重量を合計で割ると、種目ごとのシェアが出ます。その数字を、自分の性別・レベルに近い行のシェア(男性ならおよそ25%・34%・40%)と比べて、いちばん低い種目が伸びしろのある種目という読み方ができます。体重が同じでも、この内訳まで同じとは限りません。

合計を伸ばす順番

深追いはしませんが、内訳で見つけた伸びしろのある種目から手を付けるのが合理的な順番です。

厚生労働省のe-ヘルスネットは、筋トレの負荷について、日常生活レベル以上の負荷を繰り返しかけ、慣れてきたら少しずつ負荷を高めていく漸進性過負荷の原則が重要だとしています。頻度については、成人および高齢者に筋トレを週2〜3日実施することを推奨するとしています。一方で、筋トレの時間が長くなりすぎると逆効果となる可能性も示されているとして、やりすぎには注意が必要だとも書いています。

重量が思うように伸びない場合は、原因を測り方・トレーニングの中身・回復・期待の水準の4つの層に分けて絞り込む方法を筋トレの重量が伸びない原因と対策にまとめています。次にどのタイミングで重量を上げるかの判断基準は筋トレで重量を上げるタイミングで扱っています。

まとめ

  • BIG3合計の目安は中級者で男性381kg・女性218kg。3種目の中級者値を足した合算値
  • 体重比なら男性は体重の5.00倍が中級者。ただし体重別テーブルの実値とは少しズレる
  • 合計300kgは体重60kgなら中級者〜上級者、体重90kgなら初心者〜初級者の間。体重を添えて見る
  • この合計は同じ1人の記録ではない派生値。日本記録でも個別記録の和は合計の記録より男子平均5.7%・女子平均4.5%高い
  • 3種目の内訳をシェアに直し、自分のレベルの標準(男性25%・34%・40%)といちばん低い種目を比べると伸びしろが見える

まずは自分の3種目の重量を1RMに揃えて足し、この記事の表と照らし合わせるところから始めてください。比べる相手は他人の合計ではなく、前回の自分です。