レッグプレスの平均重量は、45度に傾いたスレッド式で男性227kg・女性151kg、床と水平なタイプで男性168kg・女性112kgです。同じ「レッグプレス」という種目名でも、集計サイトの中では別の項目として扱われていて、数字がそのまま比べられません。まず自分が座っているマシンがどちらの形式かを決めてから、下の表を見てください。
- 主に効く部位
- 脚大腿四頭筋・大臀筋・内転筋ほか
- 器具
- マシン45度・水平・垂直・片脚の4系統
- 重量の数え方
- マシン依存スレッド自体の重さが入るかは非公開
- 多い組み方
- 3セット×10回45度は男性18%・水平は男性23%
レッグプレスの平均重量|45度と水平で数字が変わる
表を見る前に、自分のマシンを決める
レッグプレスには大きく2つの形があります。足を斜め上に押し上げる45度スレッド式と、床と水平に足を押し出す水平(シーテッド)型です。判定は動作の向きを見れば済みます。
重さの選び方も手がかりになります。45度スレッド式は手順の説明にも「まずソリにプレートを積む」とあるプレート積載式が基本です。水平型には、ピンを差してブロックの枚数を選ぶ重量スタック式の製品もあります。ここで初めて、どちらの表を読むかが決まります。
なお「45度」という数字は、集計サイトのページ本文には出てきません。日本語で一般に使われている呼称で、メーカーの製品名(Atlantis Strength は「40 Degree Leg Press」)にも近い数字が使われています。集計サイト側は角度を明記せず、「Sled(ソリ)」という機構名だけで種目を分けています。
45度(スレッド式)レッグプレスの平均重量
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者 | 96 | 52 |
| 初級者 | 153 | 94 |
| 中級者 | 227 | 151 |
| 上級者 | 316 | 222 |
| エリート | 414 | 302 |
出典: Sled Leg Press Standards (kg)/Strength Level(2026-08-11 確認)
※ 海外ユーザーの自己申告にもとづく推定1RMです。2,661,088件の投稿から有効728,137件(男性569,448・女性158,689・2017年5月17日〜2026年3月5日)の集計。バーベル種目のページにある「表示重量はバーの重さを含む」に相当する定義文がこのページには無く、スレッド自体の重さが含まれるかは公開情報からは確認できません。ジムをまたいだ比較には使えません
水平(シーテッド)レッグプレスの平均重量
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者 | 66 | 41 |
| 初級者 | 110 | 71 |
| 中級者 | 168 | 112 |
| 上級者 | 238 | 162 |
| エリート | 316 | 219 |
出典: Horizontal Leg Press Standards (kg)/Strength Level(2026-08-11 確認)
※ 同じく自己申告にもとづく推定1RMです。945,397件の投稿から有効270,491件(男性180,003・女性90,488・2017年5月17日〜2026年3月6日)の集計。重量の定義文が無いことと、ジムをまたいだ比較に使えない点は45度スレッド式と同じです
「レッグプレス」という名前で4つの集計がある
集計サイトの中を見ると、「レッグプレス」という1つの種目名の下に、実体の違う4つの項目が並んでいます。Leg Press はSled Leg Pressの、Seated Leg PressはHorizontal Leg Pressの、それぞれ別名として同じページに集約されています(2026-08-11時点)。
| 種目 | 男性平均 | 女性平均 | 有効記録数 |
|---|---|---|---|
| Sled Leg Press(= Leg Press) | 227kg | 151kg | 728,137件 |
| Horizontal Leg Press(= Seated Leg Press) | 168kg | 112kg | 270,491件 |
| Vertical Leg Press | 208kg | 141kg | 26,233件 |
| Single Leg Press(片脚) | 123kg | 74kg | 17,424件 |
※ 有効記録数はStrength Levelが集計時点で公開している母数。VerticalとSingleは体重別・レベル別の内訳を本記事では扱っていない
男性の平均だけを見ても123kgから227kgまで、1.85倍の幅があります。「レッグプレスの平均は◯kg」という単一の答えは、集計側にもそもそも存在しません。検索して見つかる「平均」の数字がサイトによって違って見えるのも、多くはここが揃っていないことが理由です。
片脚で行うSingle Leg Pressの重量の数え方は、ブルガリアンスクワットの平均重量にまとめている片脚種目の考え方が参考になります。
レベルの区切りが意味するもの
レベルの区切りは、記録を投稿した人の中での順位で決まっています。初心者は下位5%、初級者は20%、中級者は50%(ちょうど真ん中)、上級者は80%、エリートは95%より強い水準です。一般に「平均」として引用されるのは、ちょうど真ん中に位置する中級者の値です。
体重別の目安
同じ性別でも体重が違えば扱える重量は変わります。ここでは45度スレッド式の値だけを載せます。水平型にも同じページに体重別の表があり、考え方は共通です。
| 体重(男性) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 50kg | 51 | 89 | 141 | 204 | 275 |
| 60kg | 71 | 115 | 173 | 242 | 319 |
| 70kg | 90 | 139 | 202 | 277 | 359 |
| 80kg | 109 | 162 | 230 | 309 | 395 |
| 90kg | 127 | 184 | 255 | 338 | 429 |
| 100kg | 144 | 205 | 280 | 366 | 460 |
| 体重(女性) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 40kg | 28 | 58 | 102 | 158 | 223 |
| 50kg | 39 | 73 | 122 | 183 | 252 |
| 60kg | 49 | 87 | 140 | 204 | 277 |
| 70kg | 58 | 100 | 155 | 223 | 299 |
体重70kgの男性が中級者の水準を狙うなら202kg前後、体重50kgの女性なら122kg前後という計算になります。単位はkg、推定1RMです。
なぜ同じレッグプレスで59kgも違うのか
動員される筋は45度も水平も同じ
45度スレッド式の主働筋は大腿四頭筋、協働筋は大臀筋・大内転筋・ヒラメ筋、動的安定筋はハムストリングス・腓腹筋です。水平型でこの分類を確認すると、3区分とも完全に同じ内容でした。
| 区分 | 45度(スレッド式) | 水平(シーテッド) |
|---|---|---|
| 主働筋 | 大腿四頭筋 | 大腿四頭筋 |
| 協働筋 | 大臀筋 / 大内転筋 / ヒラメ筋 | 大臀筋 / 大内転筋 / ヒラメ筋 |
| 動的安定筋 | ハムストリングス / 腓腹筋 | ハムストリングス / 腓腹筋 |
※ 3区分とも一字一句同じ内容。差があるのは動員される筋ではなく、次に見る操作手順のほう
差があるのは操作のほうです。45度型だけ、動作を始める前にソリを支えるストッパーを外す手順が入ります。水平型は座って足で押すだけで、ソリを支持する機構自体がありません。
脚種目を全体として並べたときにバーベルスクワットやハックスクワットがどこに入るかは、ハックスクワットのやり方にまとめています。バーベルスクワット自体の男女別・体重別の目安はスクワットの平均重量を見てください。
差の大きさは傾斜で説明がつく範囲に収まる
平均値どうしを割ると、男女でよく似た比になります。
- 男性: 168 ÷ 227 = 0.740
- 女性: 112 ÷ 151 = 0.742
摩擦を無視した単純な計算では、傾いたレールに沿ってソリを押す力は角度の正弦に比例し、45度なら約0.71倍になります。0.740と0.742はこの理論値に近い桁です。
ただし、ここで言えるのはここまでです。3点、必ず添えておきます。1つ目は、45度と水平は別々の集団の別々の集計で、同じ人が両方のマシンで測った差ではないことです。2つ目は、体重別の全セルで検算すると比は0.67〜1.00に散ることです。3つ目は、レベル別に見ると男性はBeginnerからEliteに向かって比が上がり、女性は逆に下がるという、男女で向きが逆の傾向があることです。単一の物理定数だけでは説明できません。
角度が原因だと確かめられたわけではありません。分かるのは、差の向きと大きさが傾斜で説明できる範囲に収まっている、というところまでです。
マシンの仕様を並べると差の出どころが見える
メーカーが公表している機械の仕様を並べると、差の出どころがもう少し具体的に見えてきます。
| 製品 | 形式 | 無負荷時/スタック | 最大 |
|---|---|---|---|
| Hoist Fitness CF-3355 | 傾斜・プレート積載 | Starting Weight (Empty Carriage) 140 lbs(64 kg) | 1,000 lbs(454 kg) |
| Atlantis Strength C401 | 40度・プレート積載 | Starting resistance 125 lb(57 kg) | 1530 lb(694 kg) |
| Atlantis Strength C403 | 水平・重量スタック | Weight stack 410 lb(186 kg) | 同左 |
※ Hoistは台車の質量、Atlantisは抵抗として公表しており、同じ量とは限らない。CF-3355の仕様欄に角度の度数は無い
ここから読み取れることが3つあります。1つ目は、プレートを1枚も付けていない時点で57kgと64kgの差があることです。2つ目は、メーカーが公表している量の定義がそもそも違うことです。Hoistは台車そのものの質量を、Atlantisは抵抗という量を公表していて、同じ物差しだと言い切れません。3つ目は、水平型には重量スタック上限186kgの製品があることです。男性平均168kgはこの機種ならスタックの90%に、初心者の66kgでも35%に相当します。水平型の数字が小さいのは、弱いからではなく機械の天井が低いことと切り離せません。
表示重量は強さの単位ではなくマシン固有の単位
無負荷時の重さも、量の定義も、スタックの上限も、製品ごとに違います。他人の表示重量と自分の表示重量を比べても、比べているものが同じだとは言えません。比較できるのは、同じマシンで取り続けた自分の記録だけです。次にジムへ行ったら、マシン名と形式を記録に足しておくと、伸びたのか台が変わったのかをあとから切り分けられます。
1回の重量から、実際に組む重量へ
表の数値は1回だけ挙げられる最大重量、つまり1RMの推定値です。セットで扱う重量に直すには回数から逆算します。1RM計算機で使っているEpley式「1RM = 重量 ×(1 + 回数 ÷ 30)」なら、10回できる重量は1 ÷(1 + 10 ÷ 30)で1RMの75%にあたります。Brzycki式「1RM = 重量 × 36 ÷(37 − 回数)」で計算しても(37 − 10)÷ 36 で同じ75%になります。
| 1RM | 10回できる重量(約75%) | |
|---|---|---|
| 45度・男性平均 | 227kg | 約170kg |
| 45度・女性平均 | 151kg | 約113kg |
| 水平・男性平均 | 168kg | 約126kg |
| 水平・女性平均 | 112kg | 約84kg |
セットの組み方にも形式による違いがあります。45度は男性の18%・水平は男性の23%が3セット×10回を選んでいて、水平型のほうが集中度が高くなっています。女性は45度で3セット×15回を選ぶ人が5%なのに対し、水平型では12%です。水平型のほうが高レップ寄りに使われている、という観測ができます。
1RM計算機重量と回数から最大挙上重量を推定できます。Epley式・Brzycki式の両方と%1RM換算表つき(登録不要)換算の式や考え方をもう少し詳しく知りたい場合は1RM計算式の仕組みにまとめています。
平均に届かないときに考えること
深さを削って重量を上げるのはどうか
浅く下ろせば重量は上がりますが、それで筋肉への刺激が減るのかは別の話です。訓練歴7.2±3.5年の23名を対象に、同じ人の左右の脚で膝屈曲を約5〜100度に固定した条件と、各自の最大可動域(5〜154±7.8度)まで下ろした条件を比べた研究があります。片脚レッグプレスを限界まで、週2回・8週間続けたところ、超音波で測った大腿四頭筋の厚みの増加は両条件とも1.08〜1.91mmで、統計的には差が無いほうを支持する結果でした。
深く下ろせないから伸びない、とは言えない結果です。
足の位置とスタンスで変わるもの
足の位置やスタンス幅を変えると何が変わるのかについては、経験のある男性10名を対象にした研究があります。つま先の向き(まっすぐ/30度外向き)を比べた条件では、筋活動にも膝にかかる力にも差が出ませんでした。足を高く置くか低く置くかを比べた条件でも、膝にかかる力に差は出ていません。一方で、広いスタンスは狭いスタンスよりハムストリングスの活動が高かったと報告されています。同じ研究でスクワットとも比較されていますが、その差はレッグプレス側の話とは切り分けて扱う必要があります。
足の位置や向きを1つの正解に決めつける根拠は、この研究からは得られません。膝への負担については研究の条件つきの所見であり、「膝に良い」「膝に悪い」という一般化はできません。
比べる相手は他人の平均ではなく前回の自分
日常生活レベル以上の負荷を繰り返しかけ、慣れてきたら少しずつ負荷を高めていくという漸進性過負荷の原則が、重量を伸ばす基本になります。マシン名と形式を記録に残しておけば、次に伸びたのか、それとも条件が変わっただけなのかを切り分けられます。何を残しておけば次の判断に使えるかは筋トレ記録のつけ方に、重量を増やすタイミングの考え方は重量を上げるタイミングの見極め方にまとめています。股関節を伸ばす種目と組み合わせたい場合はヒップスラストの平均重量も参考にしてください。
まとめ
- 平均は45度で男性227kg・女性151kg、水平で男性168kg・女性112kg。同じ「レッグプレス」でも別の集計
- 集計サイトの中に「レッグプレス」は4種類ある。男性平均だけで123〜227kgの幅
- 動員される筋の分類は45度も水平も完全に同じ。差は筋ではなくマシンの機構のほう
- 水平型の数字が小さいのは、重量スタックの上限という機械の天井が低いことと切り離せない
- 表示重量にスレッド自体の重さが入るかは公開情報からは確認できない
- 比べる相手は他人の平均ではなく、同じマシンで取った前回の自分の記録
次にジムへ行ったら、マシンが45度か水平かを記録に足してみてください。



