スクワットの平均重量は、トレーニング記録サービスのStrength Levelの集計で男性131kg・女性76kgです。この数字には条件が2つ付いていて、バーベルの重さ20kg込みの合計重量であることと、1回だけ挙げられる最大重量(1RM)として集計されていることです。10回続けられる重量に直すとおよそ男性98kg・女性57kgになります。日本の大学生2,835名を対象にした実測調査の平均は男性83.1kg・女性43.2kgで、Strength Levelの数字のおよそ1.6倍低く出ていますが、これは記録を投稿する人と一般の学生という母集団の違いによるものです。

主に効く部位
大腿四頭筋・臀筋ハムストリングも協働で動員
器具
バーベルラックとセーフティバーを使う
重量の数え方
バー込みの合計プレートだけの重さではない
多い組み方
5セット×5回男性22%・女性16%が選択
男性の平均
131kgバー込み・1RM(Strength Level)(推定)

スクワットの平均重量|男女別・レベル別

まず全体の分布から確認します。次の表は、Strength Levelが公開しているレベル別の重量です。

スクワット平均重量の目安(kg・バー込みの1RM
レベル男性女性
初心者(Beginner)6632
初級者(Novice)9551
中級者(Intermediate)13176
上級者(Advanced)173105
エリート(Elite)219137

出典: Squat Standards (kg)Strength Level2026-08-11 確認)

海外の記録サービスへの自己申告データです。バー20kg込み・1回だけ挙げられる重量(1RM)が基準で、有効記録7,039,938件(2015年3月7日〜2026年3月8日)ですが、記録を投稿する利用者の中での分布であり、日本のジム利用者の平均ではありません

レベルの区切りは、記録を投稿した人の中での順位で決まっています。中級者がちょうど真ん中なので、一般に「平均」として引用されるのはこの中級者の値です。

レベル記録を投稿した人の中での位置練習期間の目安
初心者(Beginner)5%より強い1か月以上正しく行っている
初級者(Novice)20%より強い6か月以上定期的に取り組んでいる
中級者(Intermediate)50%より強い(ちょうど真ん中)2年以上定期的に取り組んでいる
上級者(Advanced)80%より強い5年以上続けて伸ばしている
エリート(Elite)95%より強い5年以上、競技レベルを目指している

この集計のもとになっているのは、2015年3月7日から2026年3月8日までに投稿された24,988,444件から絞り込まれた有効記録7,039,938件(男性6,014,970件・女性1,024,968件)です。件数は多いものの、記録サービスに自分の重量を投稿する人の分布であることは動きません。

体重別の目安

同じ性別でも体重が違えば扱える重量は変わります。単位はkg、バー込みの1RMです。

体重(男性)初心者初級者中級者上級者エリート
55kg436388118150
60kg497198129162
65kg5679107139174
70kg6286116149185
75kg6994124159196
80kg75101132168206
85kg81108140177216
体重(女性)初心者初級者中級者上級者エリート
45kg23385882110
50kg26426388116
55kg29466894123
60kg32497299129
65kg355376104134
70kg375680109140

元データは男性50〜140kg・女性40〜120kgまで公開されていて、この表はその一部を抜き出したものです。同じページには体重に対する倍率も示されていて、中級者の目安は体重の男性1.75倍・女性1.25倍にあたります。

45歳から基準そのものが下がる

年齢別のデータも公開されています。中級者の値だけを抜き出すと、次のように下がっていきます。

年齢男性(中級者)女性(中級者)
25〜40歳131kg76kg
45歳124kg72kg
55歳107kg62kg
65歳89kg51kg

25〜40歳がピークで、そこから先は下がる形です。「平均に届かない」と感じたときは、この年齢の行を見ると自分の位置が変わることがあります。

「バー込み」を外して考える

男性の平均131kgは、バー20kg+プレート111kg(片側55.5kg)という内訳です。女性の平均76kgは、バー20kg+プレート56kg(片側28kg)にあたります。よく目安にされる100kgは、バーに20kgプレートを4枚(片側2枚)付けた重さです。同じ「1RM」という言葉でも、ダンベル種目は数え方が違うことがあり、ブルガリアンスクワットの平均重量ではダンベル1個あたりで集計されています。

日本で測った平均は83.1kg|数字が1.6倍違う理由

Strength Levelの数字は海外の記録サービスへの自己申告です。国内で追跡できる大規模な実測データも存在します。新潟国際情報大学が1994年から2003年にかけて、保健体育科目を履修した大学1年生2,835名(男子1,891名・女子944名)を対象に行った調査です。

測定はパラレル・スクワット(大腿部が床と平行になるまでしゃがみ、元の立位まで戻る)で行われ、被験者は正しい姿勢で挙上できるようになるまで練習したうえで、5〜7セット目に最大重量が来るように重量を刻んで測定されています。最低重量変更単位は2.5kg、判定はパワーリフティング競技公認審判の資格をもつ測定者が行いました。結果は男子83.1±17.2kg・女子43.2±9.7kg(体重は男子63.5kg・女子52.8kg)です。

日本の実測値とStrength Levelの集計を並べる
日本(藤瀬2004・実測)Strength Level(自己申告・中級者)倍率
男性 1RM83.1kg131kg1.58倍
女性 1RM43.2kg76kg1.76倍
男性 体重比1.31倍1.75倍
女性 体重比0.82倍1.25倍

倍率と体重比は、公開されている両者の値から計算したものです。日本側の体重比は83.1÷63.5kg(男性)・43.2÷52.8kg(女性)で算出しました

深さの前提はそろっています。藤瀬ら(2004年)は「パラレル・スクワット」と明記し、Strength LevelのHow Toページも深さの条件に「Parallel (at least)」と記しています。比べる土俵は成立していて、違うのは母集団と測定した時期です。記録アプリに自分の重量を投稿する人と、トレーニング習慣の有無を問わない大学1年生では前提が違い、測定も20年以上前です。どちらが正しいかではなく、どちらを自分の物差しにするかという話です。

日本の平均をStrength Levelのスケールに載せると、位置が見えてきます。男性の83.1kg(体重63.5kg)は、体重60kg行の初級者71kg〜中級者98kgと、65kg行の初級者79kg〜中級者107kgのあいだに入り、初級者を少し上回り中級者には届かない水準です。女性の43.2kg(体重52.8kg)は、体重50kg行の初級者42kgと55kg行の初級者46kgに近く、ほぼ初級者の水準にあたります。

1回だけ挙がる重量から、実際に組む重量へ

Strength Levelの平均は1RM、つまり1回だけ挙げられる最大重量です。何回か続けて挙げる重量に直すには推定式を使います。よく使われるEpley式とBrzycki式は10回のときにちょうど同じ値になり、10回できる重量はおよそ1RMの75%です。男性なら131kg→約98kg、女性なら76kg→約57kgという換算になります。式の形と精度の違いは1RMの計算式まとめにまとめています。

10回だけでなく5回換算も見ておく価値があります。スクワットで最も多い組み方は5セット×5回(男性22%・女性16%)で、10回系の種目とは分布が違うためです。5回では推定式が割れて、Epley式で1RMの86%、Brzycki式で89%になります。男性の平均131kgなら約112〜116kg、女性の平均76kgなら約65〜68kgという幅です。

スクワットの1RM計算機重量と回数から1RMを推定できます。逆に1RMから回数ごとの重量も引けるので、平均値を自分のセットに翻訳できます(登録不要)

ベンチプレス・デッドリフトと合わせた合計の目安は、BIG3の重量目安で体重別にまとめています。

自重・ジャンプ・ウォールシット|重量で測らない3種目

LiftLogの種目マスタでは、スクワットは重量×回数で記録しますが、自重スクワットとジャンプスクワットは回数のみ、ウォールシットは時間のみで記録するように分かれています。同じ「スクワット」でも、種目によって測る物差しが違います。

自重スクワット|基準は重量ではなく回数

自重スクワットは、Strength Levelでも回数を基準にした集計が公開されています。

自重スクワットの回数の目安(2026-08-11 閲覧)
レベル男性女性
初心者(Beginner)2回1回未満
初級者(Novice)23回12回
中級者(Intermediate)54回38回
上級者(Advanced)92回72回
エリート(Elite)138回114回

出典: Bodyweight Squat Standards (kg)2026-08-11 確認)

単位は回数です。有効結果57,017件(男性48,466・女性8,551件・2019年1月27日〜2026年3月5日)にもとづく集計で、スクワット本体(7,039,938件)より2桁ほど小さい母数です

「54回」は中級者の目安であって、54回やるべき回数ではありません。実際に多い組み方は3セット×10回(男性16%・女性12%)で、基準値とセットの組み方は別物です。

体重別の表を見ると、バーベルとは逆向きの関係が見えます。体重が重いほど回数が減るのが自重スクワットで、中級者の目安は体重50kgで68回、140kgで34回まで下がります。バーベルスクワットは逆に体重が重いほど扱える重量が増え、中級者の目安は体重50kgで78kg、140kgで215kgです。同じサイトの2枚の表で、向きがまるごと入れ替わっています。

負荷と筋肥大の関係を調べたメタ分析もあります。60%1RM以下の低負荷でも、限界まで反復すれば筋肥大の度合いは高負荷とほぼ同じという結果が21研究の分析から出ている一方、1RMそのものの伸びは高負荷のほうが有意に大きいとされています。自重スクワットでも筋肉はつきますが、挙上重量そのものを伸ばしたいなら加重が必要になるということです。厚生労働省のe-ヘルスネットも、筋トレには自重で行う運動が含まれるとしたうえで、漸進性過負荷の原則にもとづき慣れてきたら少しずつ負荷を高めていくことを挙げています。

ジャンプスクワット|動作と使いどころ

ジャンプスクワットは、しゃがんでから跳び上がり、着地してまたしゃがむという動作を繰り返す種目です。バーベルスクワットのように重さを増やしていく種目ではなく、しゃがむ動作から跳ぶ力へどれだけ変換できるかを鍛える種目にあたります。LiftLogでは自重スクワットと同じく回数で記録しますが、公開されている集計は件数が薄く、妥当な目安として示せる段階になかったため、本記事では回数の基準値を扱いません。

ウォールシット|重量の基準は存在しない。時間で記録する

ウォールシットは壁に背中を預けて膝を曲げた姿勢を保つ種目で、重量も回数もありません。LiftLogでも時間(duration)で記録する種目として登録されています。

一般に「20秒を3セット」のような目安が出回っていますが、公開情報からは根拠を確認できませんでした。一方で研究のプロトコルとしては、膝の角度を個人ごとに決めて2分間を4本、あいだに2分の休憩を挟み、これを週3日・4週間続けるという形が使われています。

この形で行った研究では、等尺性の運動が安静時の血圧を平均で収縮期8.24・拡張期4.00mmHg下げたという結果が、270本のランダム化比較試験を統合したメタ分析から出ています。同じ分析の下位区分では、壁を使ったスクワット(ウォールシット)が収縮期血圧を下げる種目として最も高く位置づけられたという結果です。

基本のやり方

主に働くのは大腿四頭筋・臀筋で、ハムストリングは協働筋として動きを支えます。

  1. ラックの高さを合わせる― バーが鎖骨のすぐ下あたりに来る高さにセイフティバーを設定します

  2. 担ぐ位置を決める― 僧帽筋の上に乗せるか、少し下の後部三角筋のあたりに乗せるかを決め、毎回そろえます

  3. 足幅とつま先の向きを決める― 肩幅よりやや広めに立ち、つま先はやや外側に向けます

  4. しゃがむ深さを決める― 大腿部が床と平行になるところまで下ろします(パラレル)

  5. 立つ― 膝と股関節を同時に伸ばして戻ります

深さをそろえないと平均と比べられない

深さが変わると、伸び方そのものが変わります。男性17名をフルスクワット群とハーフスクワット群に分けて10週間行った研究では、フルスクワットの1RMの伸びが31.8%だったのに対し、ハーフスクワット群は11.3%にとどまりました。内転筋・大臀筋の体積増加もフル群のほうが有意に大きく、膝伸展筋の増加は両群で差がなかったという結果です。同じ人でも深さを変えれば、挙がる重量も伸び方も変わります。他人の平均と比べる前に、まず自分の深さを固定してください。

記録の残し方

深さ・足幅・バーの位置は、重量と一緒に固定して残してください。ウォールシットは時間、自重スクワットとジャンプスクワットは回数で記録します。記録する項目の決め方は筋トレ記録のつけ方にまとめています。比べる相手は平均ではなく、前回の自分です。

バーを体の前面で担ぐフロントスクワットは別の集計になっていて、担ぎ方の違いからフロントスクワットのやり方で整理しています。

まとめ

  • 平均は男性131kg・女性76kg。バー20kg込みの1RM
  • 10回できる重量はおよそ75%、5回ならEpley式86%・Brzycki式89%
  • 日本の実測平均は男性83.1kg・女性43.2kg(藤瀬2004)。Strength Levelとの差はおよそ1.6倍で、母集団の違いによるもの
  • 自重スクワットは回数(中級者は男性54回・女性38回)、ウォールシットは時間で記録する種目。重量の基準はどちらにも無い
  • スクワットは深さをそろえて初めて、平均とも前回の自分とも比較できる
  • 記録では重量・回数・深さ・足幅を一緒に固定する