Tバーロウの平均重量は、男性81kg・女性44kg(推定1RM)です。10回で使う重量に直すと、1RMの75%を切り捨てて男性60kg・女性33kgになります。集計はバー(通常20kg)を含む定義ですが、Tバーロウには据え置き型・胸当てつき・ランドマインという構造の違う器具があり、どの器具で記録したかは区別されていません。この記事では器具ごとの違いと、プレートの付け方で負荷が変わる仕組みまで整理します。

主に効く部位
背中広背筋・僧帽筋・菱形筋ほか
器具
レバー(Tバー)据え置き型・胸当てつき・ランドマインの3種
重量の数え方
器具で異なる集計はバー20kg込みの定義
女性の平均
44kgバー20kg込み・1RM(推定)
男性の平均
81kgバー20kg込み・1RM(推定)(推定)

Tバーロウの平均重量|男性81kg・女性44kgとバー20kg込みの定義

記録サイトの集計では、Tバーロウの平均は男性81kg・女性44kgです。いずれも1回だけ挙げられる重量、つまり1RMの推定値です。

Tバーロウの平均重量の目安(kg・バー20kg込みの1RM)
レベル男性女性
初心者(Beginner)3315
初級者(Novice)5428
中級者(Intermediate)8144
上級者(Advanced)11365
エリート(Elite)14888

出典: T Bar Row Standards (kg)/Strength Level(2026-09-27 確認)

※ 海外の記録サービスに投稿された自己申告データです。数値はバー(通常20kg)を含む1RMの定義ですが、Tバーロウには据え置き型・胸当てつき・ランドマインという数え方の違う複数の器具があり、どの器具の記録かは区別されていません。有効結果85,898件(コミュニティ記録368,631件・男性79,547・女性6,351・2017年12月10日〜2026年3月7日)。ジムをまたいだ比較には使えません

レベルの区切りが意味するもの

レベルの区切りは、記録を投稿した人の中での順位で決まっています。初心者は下位5%より強い水準、初級者は20%、中級者は50%(ちょうど真ん中)、上級者は80%、エリートは95%より強い水準です。一般に「平均」として引用されるのは、ちょうど真ん中に位置する中級者の値です。

体重別の目安

同じ性別でも体重が違えば扱える重量は変わります。単位はkg、バー20kg込みの1RMです。

体重(男性)初心者初級者中級者上級者エリート
50kg1630487197
60kg24396085114
70kg31497299129
80kg385882111143
90kg456692123156
100kg5274102134169
体重(女性)初心者初級者中級者上級者エリート
40kg919324969
50kg1223375677
60kg1526426284
70kg1730466789

体重70kgの男性が中級者の水準を狙うなら72kg前後、体重50kgの女性なら37kg前後という計算になります。

近縁のロー系種目との並び

同じ記録サイトの中には、Tバーロウと近い動作のロー系種目が別々の項目として集計されています。

記録サイト内での近縁のロー系種目の平均(2026-09-27確認)
種目男性平均女性平均有効結果
Tバーロウ81kg44kg85,898件
ベントオーバーロー87kg44kg737,295件
ペンドレイロー92kg53kg52,084件
シーテッドロー84kg48kg210,395件
マシンロー100kg53kg66,780件

※ 別々の集計で、母数も期間も違います。「Tバーロウのほうが軽い」「ベントオーバーローの何%」という換算には使えません。同じ記録サイトの中でも、ロー系の種目は集計が分かれていて平均も別々だという範囲までにとどめます

ベントオーバーローの前傾角度・グリップで何が変わるかはベントオーバーローのやり方に、床から引き直す形はペンドレイローのやり方に、座って引く形はシーテッドローのやり方にまとめています。

1回の重量から、10回で使う重量へ

表の数字は1RMなので、セットで扱う重量には換算が要ります。この記事では1RMの75%を、小数点以下切り捨てで出しています。よく使われるEpley式とBrzycki式は10回のときにちょうど75.0%で一致するため、どちらの式で計算しても同じ結果になります。

レベル男性1RM男性10回女性1RM女性10回
初心者33kg24kg15kg※20kg未満
初級者54kg40kg28kg21kg
中級者(平均)81kg60kg44kg33kg
上級者113kg84kg65kg48kg
エリート148kg111kg88kg66kg
1RM計算機重量と回数から最大挙上重量を推定できます。Epley式・Brzycki式の両方と%1RM換算表つき(登録不要)

Tバーロウで効く筋肉と、ベントオーバーローとの関係

Tバーロウ(据え置き型)の主働筋は背中全体で、協働筋として僧帽筋中部・下部、菱形筋、広背筋、大円筋、三角筋後部、棘下筋、小円筋など、動的安定筋として上腕二頭筋・上腕三頭筋長頭、安定筋として脊柱起立筋・ハムストリングス・大臀筋などが挙げられています。

Tバーロウ(据え置き型)とベントオーバーローの筋分類の比較(2026-09-27確認)
区分Tバーロウ(据え置き型)ベントオーバーロー
主働筋背中全体背中全体
協働筋僧帽筋中部・下部/菱形筋/広背筋/大円筋/三角筋後部/棘下筋/小円筋 ほか同じ内容
動的安定筋上腕二頭筋/上腕三頭筋長頭同じ内容
安定筋脊柱起立筋/ハムストリングス/大臀筋/大内転筋/大腿四頭筋同じ内容

※ 分類の全項目が一致することを確認した(当方突合)。違いは動員される筋ではなく、支点のあるレバーで引くか、支点のない自由なバーで引くかという器具の側にある

違いが出るのは筋ではなく、支点のあるレバーで引くか、支点のない自由なバーで引くかという器具の側です。ハンドルを狭く握るクローズグリップの版では、広背筋の関与が増えるとされています。動員される筋の分類が同じでも、前傾角度やグリップで重さの感じ方がどう変わるかは、ベントオーバーローのやり方にまとめている内容が参考になります。

Tバーロウのやり方|器具で「バー込み」の数え方が変わる

記録サイトの定義文は「バーベルの重量には、通常20kgのバーの重さを含む」という一文で、Tバーロウもこのバーベル分類に入っています。ところが、やり方の解説が使っている画像は、床に固定されたフレームの片側の支点にバーがつながり、反対側にプレートとハンドルを付ける据え置き型の器具です。この器具のバー(レバー)が20kgのオリンピックバーと同じ重さかどうかは、記録サイト側に記載がありません。この記事の手順も、定義が前提にしているこの据え置き型で説明します。

  1. プレートを付けてから構える― 据え置き型は片側の支点がフレームに固定され、反対側にプレートを積む構造です。持ち上げる前にプレートを付けておきます

  2. 股関節から前傾する― 上体が床を向くくらいまで前傾します。膝は軽く曲げます

  3. ハンドルを握る― フレームから伸びたハンドル部分を握ります。バーベルのシャフトを直接握る種目ではありません

  4. 肘が体の横に来るまで引く― バーを引き上げ、肘が体の側面に来る位置まで引きます

  5. 同じ軌道で下ろす― 引き切った位置から、床に置いた開始位置まで戻します

胸当てつきは別物として記録を分ける

胸当てつきのTバーロウは、上体を器具が支える構造そのものが据え置き型と違います。前傾を自分の背中で保つ据え置き型に対して、胸当てつきは上体を支える仕事がベンチ側に移ります。上体を器具が支えるか自分で支えるかで数字の比べにくさが変わることは、シーテッドローの背中種目マップでも同じ構図です。初期負荷もメーカーの公表値で20kg、左右独立式なら片腕10kgと、据え置き型の18kgとは別の数字になります。同じ「Tバーロウ」という名前で記録しても、比べているものが違うので、器具ごとに記録を分けてください。

ランドマインは支点の位置で負荷が変わる

もう1つの構成がランドマインです。バーの片端を床の固定具(スリーブ)に差し込み、反対側の端を持って引く使い方をTバーロウとして記録することがあります。この場合、バーの片端が床の支点で支えられるため、持ち上げる側の手にバー全体の重さがそのままかかるわけではありません。支点にかかる比率を示した公表資料は見つけられなかったため、この記事ではランドマインの重量の目安を数値では示しません。

プレートを支点に近づけると体感の負荷が軽くなる

据え置き型のプレート積載式には、プレートを取り付ける位置が前後に複数あるものがあります。メーカーは、支点から遠い前方の位置にプレートを付けると重い記録向けの負荷になり、支点に近い後方の位置に付け替えると、同じプレートでも体感の負荷が軽くなると公表しています。プレートの合計kgをそのまま負荷として比べられない、ということです。何kg軽くなるかまでは公表されていません。

Tバーロウの器具別の初期負荷(メーカー公表値・2026-09-27確認)
器具形式初期負荷(プレート無し)
据え置き型(レバー・プレート積載)胸当てなし18kg
胸当てつき(左右独立)片腕あたり10kg
胸当てつき(インクライン)両腕まとめて20kg

※ 初期負荷はメーカーが「starting resistance」として公表している値で、20kgのオリンピックバーの質量ではありません。左右独立型は片腕あたりの公表なので、両腕合計で記録するか片腕で記録するかでも数字が変わります

まとめ

  • Tバーロウの平均重量は男性81kg・女性44kg(バー20kg込みの1RM)。10回で使う重量は1RMの75%を切り捨てて男性60kg・女性33kg
  • 女性・初心者の平均1RM(15kg)は定義の20kgより軽い。20kgのバーだけでは作れない重量が集計に混ざっている
  • 器具は据え置き型・胸当てつき・ランドマインの3種類。胸当てつきは別物として記録を分けたほうが確実
  • 動員される筋の分類はベントオーバーローと全項目が一致する。違いは筋ではなく器具(支点の有無)の側
  • プレートを支点に近づけると体感の負荷が軽くなるとメーカーが公表している。合計kgだけでは負荷を測れない
  • 比べる相手は他人の平均ではなく、同じ器具で取った前回の自分の記録

次にジムへ行ったら、使っている器具が据え置き型か胸当てつきかを記録に足してみてください。