バーベルショルダープレス(オーバーヘッドプレス)の平均重量は、トレーニング記録サービスの集計で男性62kg・女性33kgです。この数字はバー(通常20kg)を含む合計重量で、1回だけ挙げられる最大重量(1RM)として集計されています。5回できる重量に直すとおよそ53〜55kg(男性)・28〜29kg(女性)です。呼び方が違うミリタリープレスの平均は男性63kg・女性33kgとほぼ同じ数字で、座位・プッシュプレス・マシン・ダンベルは別々の集計として扱われています。
- 主に効く部位
- 三角筋前部協働筋に上腕三頭筋・大胸筋上部
- 器具
- バーベルラックまたは床からのクリーンで開始
- 重量の数え方
- バー込みの合計両手・通常20kgのバーを含む
- 男性の平均
- 62kgバー込み・1RM(Strength Level)(推定)
バーベルショルダープレスの平均重量|男女別・レベル別
次の表は、トレーニング記録サービスのStrength Levelが公開しているレベル別の重量です(2026年8月11日取得)。
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者(Beginner) | 29 | 13 |
| 初級者(Novice) | 44 | 21 |
| 中級者(Intermediate) | 62 | 33 |
| 上級者(Advanced) | 84 | 46 |
| エリート(Elite) | 107 | 61 |
出典: Shoulder Press Standards (kg)/Strength Level(2026-08-11 確認)
※ 海外のトレーニング記録サービスに投稿された自己申告データです。記録を投稿する利用者の中での分布であり、ジムに通う人全体や日本人の平均ではありません。数値はバー(通常20kg)を含む合計重量です
レベルの区切りは投稿された記録の中での順位で決まっています。初心者は下位5%より強い水準、初級者は20%、中級者は50%、上級者は80%、エリートは95%より強い水準です。中級者がちょうど真ん中なので、一般に「平均」として引用されるのはこの中級者の値です。この集計のもとになっているのは、2015年8月12日から2026年3月5日までに投稿された有効記録1,827,472件です。
表の数字は「バー20kgを含む合計」
表の男性62kg・女性33kgは、バー(通常20kg)を含む合計重量です。プレートだけを見ると、男性の中級者は片側21kgずつ(合計42kg分)のプレートを足した状態、女性の中級者は片側6.5kgずつ(合計13kg分)を足した状態にあたります。
この読み方は初心者・初級者の女性で特に効いてきます。女性のBeginner(13kg)は標準的な20kgバーより軽く、Novice(21kg)もバー1本とほぼ同じ重さです。この2段階は、通常の20kgバーにプレートを足さなくても届く水準か、より軽いバーを使った記録が混ざっている水準ということになります。
体重別・年齢別の目安
同じ性別でも体重が違えば挙がる重量は変わります。同じデータでは、男性の中級者はおよそ体重の0.80倍、女性は0.50倍が目安として示されています。表にない体重は、この体重比で概算できます。
| 体重(男性) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 50kg | 15 | 24 | 36 | 51 | 67 |
| 60kg | 21 | 32 | 45 | 62 | 79 |
| 70kg | 27 | 39 | 54 | 72 | 90 |
| 80kg | 33 | 46 | 62 | 81 | 101 |
| 90kg | 38 | 53 | 70 | 90 | 111 |
| 体重(女性) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 40kg | 7 | 13 | 22 | 33 | 45 |
| 50kg | 10 | 17 | 27 | 38 | 51 |
| 60kg | 12 | 20 | 31 | 43 | 57 |
| 70kg | 15 | 23 | 34 | 47 | 62 |
| 80kg | 17 | 26 | 37 | 51 | 66 |
いずれもバー込みの1RM(kg)です。年齢別の集計もあり、中級者の値は25〜40歳がピーク(男性62kg・女性33kg)で、そこから年齢が上がるにつれて下がっていきます。
| 年齢 | 中級者(男性) | 中級者(女性) |
|---|---|---|
| 15歳 | 53 | 28 |
| 20歳 | 61 | — |
| 25〜40歳 | 62 | 33 |
| 45歳 | 59 | — |
| 50歳 | 55 | — |
| 55歳 | 51 | — |
| 60歳 | 46 | 24 |
| 65歳 | 42 | — |
| 70歳 | 38 | — |
| 75歳 | 34 | — |
| 80歳 | 30 | — |
| 85歳 | 27 | — |
| 90歳 | 24 | 13 |
女性は集計元が公開している年齢の刻みが粗く、表にある年齢だけを載せています(—は非公開)。
表の数字は1RM|5回・3回できる重量への直し方
表の62kg・33kgは、いずれも1回だけ挙げられる最大重量(1RM)です。実際のセットで使う重量に直すには、回数ごとの推定式を使います。
同じデータには実際のセットの組み方も集計されていて、男性は5回×5セットが最多(21%)、次いで3回×5セット(18%)でした。女性も5回×5セットが最多(17%)です。3セット×10回が最多だったダンベル版とは対照的に、バーベル版は5回前後で組む人がいちばん多いことになります。
推定式にはEpley式とBrzycki式を使います。この2つの式は10回のときは一致しますが(1RMの75%)、5回では一致しません。式ごとに計算すると、5回できる重量は男性でおよそ53〜55kg、女性でおよそ28〜29kgという幅になります。3回ならおよそ男性56〜59kg・女性30〜31kgです。
1RM計算機重量と回数から1RMを推定できます。Epley式・Brzycki式の両方と%1RM換算表つき(登録不要)重量をどう決めて、どう伸ばすか
平均は自分の位置を確認する材料にはなりますが、次に何kgを扱うかを決めてはくれません。決める材料になるのは自分の前回の記録です。
厚生労働省のe-ヘルスネットは、筋力トレーニングの負荷について、日常生活レベル以上の負荷を繰り返しかけ、慣れてきたら少しずつ負荷を高めていく漸進性過負荷の原則が重要だとしています。頻度については、成人および高齢者に筋トレを週2〜3日実施することを推奨するともしています。少しずつ高めていくには、前回の重量と回数の記録が要ります。
記録するのは種目・重量・回数の3つで足ります。項目の決め方は筋トレ記録のつけ方にまとめています。次にどのタイミングで重量を上げるかの判断基準は重量を上げるタイミングで扱っています。
呼び方の整理|オーバーヘッドプレス・ミリタリープレス・ショルダープレス・プッシュプレス
「ミリタリープレスとショルダープレスは何が違うのか」という疑問は、定義を並べるだけでは答えが割れがちです。ここではデータ側の事実で整理します。
集計側では何が同じで何が別か
同じサイト内で「overhead-press」のURLへアクセスすると、自動的に「shoulder-press」のURLへ転送されます(2026年8月11日にサーバーへ直接アクセスして確認した事実です)。オーバーヘッドプレスとショルダープレスは、同じ1つの集計として扱われているということです。
一方、ミリタリープレスは別ページとして独立しています。ただし平均は男性63kg・女性33kgで、ショルダープレスの62kg・33kgとほぼ同じ数字です。呼び方が違っても、数字はほとんど変わりません。
足を揃えるかどうか
「ミリタリープレスはかかとを揃えて行う」という説明を見かけることがありますが、動作の一次情報では確認できませんでした。足の位置は肩幅程度に開くか、どちらかの足を少し前に出すスタンスのどちらでもよいとされていて、揃えることは要件になっていません。呼び方よりも、姿勢(立位か座位か)や脚を使うかどうかのほうが、実際の重量には効いてきます。
プッシュプレスは別種目
同じ集計の中で、プッシュプレスだけは平均が大きく上がり、男性82kg・女性46kgです。プッシュプレスは膝を軽く曲げて反動をつけてから押し上げる動作で、出典サイトでも別種目として独立して集計されています。脚の力を使う分だけ扱える重量が伸びるのは動作の違いによるもので、呼び方の問題ではありません。
器具・姿勢で数字がどう変わるか
ここまでの数字を1つの表にまとめます。
| 集計 | 器具 | 男性平均 | 女性平均 | 重量の数え方 | 集計期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| Shoulder Press(=Overhead Press) | バーベル | 62kg | 33kg | バー込みの合計 | 2015-08-12〜2026-03-05 |
| Military Press | バーベル | 63kg | 33kg | バー込みの合計 | 2019-01-27〜2026-03-05 |
| Seated Shoulder Press | バーベル | 72kg | 33kg | バー込みの合計 | 2019-10-03〜2026-03-05 |
| Push Press | バーベル | 82kg | 46kg | バー込みの合計 | 2016-10-19〜2026-03-05 |
| Dumbbell Shoulder Press | ダンベル | 30kg | 15kg | 片手1個・シャフト込み | 2017-03-19〜2026-03-05 |
| Seated Dumbbell Shoulder Press | ダンベル | 32kg | 17kg | 片手1個・シャフト込み | 2020-10-21〜2026-03-11 |
出典: Strength Level: Shoulder Press ほか5集計の Standards (kg)(2026-08-11 確認)
※ overhead-press/kg は302転送でこのページに転送されるため、オーバーヘッドプレスとショルダープレスは同一の集計です。マシンショルダープレス(男性73kg・女性31kg)は重量の数え方の定義が公開元のページに見当たらないため、この表には含めていません(後述の研究データで扱います)
座位のショルダープレスは、立位よりも平均が高く出ています(72kg対62kg)。ただしこの差を裏づける実測研究は見つかっていないので、「座位のほうが挙がりやすい」という一般論としては書けても、7%や10%といった数字でこの2つを結びつけることはできません。同一人物で座位と立位を比べた実測は、次の章のダンベルの比較で扱います。
ダンベル版(片手あたりの重量)の詳しい目安と体重別の表は、ダンベルショルダープレスの平均重量にまとめています。
効く筋肉と、バーベルだから変わること
主働筋は三角筋の前部です。協働筋には大胸筋の鎖骨部(上部)・上腕三頭筋・三角筋の外側部・烏口腕筋・僧帽筋の中部と下部・前鋸筋が入り、上腕三頭筋の長頭と上腕二頭筋の短頭は動作中に姿勢を支える動的安定筋として働きます。安定筋は僧帽筋の上部と肩甲挙筋です。僧帽筋の上部が安定筋として働く点は、アップライトローと同じ配役です。
三角筋の前部は、歩行時に大胸筋と協調して腕を前に振り出す働きも担っている筋です。この種目のように肩関節へ大きな負荷がかかっている間は、上腕骨が肩関節から下方へ抜けるのを防ぐ安定装置としても働きます。三角筋の中部を集中的に狙いたい場合は、サイドレイズのほうが役割としては近くなります。
立位のバーベルと立位のダンベルを比べた研究があります。Saeterbakkenらが2013年に発表した研究(健常男性15名)では、1RMは立位バーベルのほうが立位ダンベルより約7%高いという結果でした。ところが同じ研究で、三角筋前部の筋活動は逆にバーベルのほうが約15%低く、上腕三頭筋の筋活動はバーベルのほうが約39%高いとも報告されています。重い重量を扱えることが、そのまま肩に強い刺激が入っていることを意味するわけではなく、バーベルは肩と上腕三頭筋とで分担して重量を稼ぐ形に近いという整理ができます。この研究の対象は男性15名のみで、女性への当てはめはできません。
同じ人でバーベルとマシンを比較した研究もあります。Coratellaらが2022年に発表した研究では、同一被験者の1RMはマシンのほうが高く出ました(バーベル82kg・マシン95kg)。先ほどのマシンショルダープレスの平均73kgがバーベルの62kgより高いという並びも、向きとしてはこの実測と一致します。ただしこの研究の対象は競技経験のある男性ボディビルダー8名で、アナボリックステロイドの使用も統制されていません。人数が少ないため、数字そのものは参考程度に留めてください。肩まわりの前後のバランスを整える種目はフェイスプルでまとめています。
バーベルショルダープレスのやり方
ラックからバーを外す― 肩幅よりやや広い順手でバーを握り、鎖骨の前あたりに構えてから外します
体幹を締めて構える― 足は肩幅程度に開くか、どちらかの足を少し前に出して安定させます
頭上へまっすぐ押し上げる― 肘を伸ばし切る手前まで、バーが顔の近くを通る軌道で押し上げます
鎖骨の前まで下ろす― 下ろす位置を毎回そろえます
ラックに戻す― 最後の1回を終えたら、バーを支えたままラックに収めます
まとめ
- バーベルショルダープレスの平均は男性62kg・女性33kg。バー(通常20kg)を含む合計で、1RMの数字
- レベルの区切りは投稿記録の中での順位。中級者がちょうど真ん中で、これが「平均」として引用される
- 5回できる重量はおよそ53〜55kg(男性)・28〜29kg(女性)。バーベル版は5回×5セットで組む人が最多
- オーバーヘッドプレスとショルダープレスは同一集計。ミリタリープレスは別集計だが数字はほぼ同じ(63kg・33kg)
- プッシュプレス(82kg・46kg)は脚の反動を使う別種目。座位(72kg)・マシン(73kg)・ダンベル(30kg)もそれぞれ別集計
- 立位バーベルは立位ダンベルより1RMは高いが、三角筋前部の筋活動は低く、上腕三頭筋の関与が大きいという報告がある
- 平均は現在地の確認まで。次の重量を決めるのは自分の前回の記録
まずはバー込みの重量で、5回続けられる重量を1つ記録するところから始めてください。比べる相手は平均ではなく、前回の自分です。バーベル種目の重量の目安はベンチプレスの平均重量やBIG3の重量目安でもまとめています。



