スミスマシンの平均重量は、記録サイトの集計でスクワットが男性112kg・女性62kg、ベンチプレスが男性90kg・女性46kg(いずれも推定1RM)です。ただしこの数字は「バー20kg込み」という定義で、スミスのバー自体の重さはメーカー公表値で9〜20kg、カウンターウエイトで軽くした初期負荷まで含めると5.4〜20kgと機種で違います。10回できる重量への直し方は本文後半にあります。
- 対象種目
- スクワット・ベンチプレススミスマシンでの実施
- 重量の数え方
- バー込みの合計(定義)実際のバーの重さは機種で違う
- バーの重さ
- 5.4〜20kgメーカー公表値。公表している量の種類も違う
- 軌道
- 垂直〜傾斜7度ほか0度・7度など機種で違う
表の数字はいずれも1回だけ挙げられる最大重量(推定1RM)です。10回続けられる重量に直すには、1RMに0.75を掛けて小数点以下を切り捨てます。1RM計算機で使っているEpley式・Brzycki式は、どちらも10回のときにちょうど75%になります。
| 1RM | 10回できる重量(1RM×0.75の切り捨て) | |
|---|---|---|
| スクワット・男性(中級者) | 112kg | 84kg |
| スクワット・女性(中級者) | 62kg | 46kg |
| ベンチプレス・男性(中級者) | 90kg | 67kg |
| ベンチプレス・女性(中級者) | 46kg | 34kg |
スミスマシンの平均重量|スクワット・ベンチプレス別
まず種目別の分布を確認します。次の表は、トレーニング記録サービスが公開しているレベル別の重量です。
スクワットの平均重量
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者(Beginner) | 48 | 22 |
| 初級者(Novice) | 76 | 39 |
| 中級者(Intermediate) | 112 | 62 |
| 上級者(Advanced) | 154 | 90 |
| エリート(Elite) | 202 | 122 |
出典: Smith Machine Squat Standards (kg)/Strength Level(2026-09-27 確認)
※ 海外の記録サービスに投稿された自己申告データです。有効記録48,153件(総投稿276,386件・男性39,296件/女性8,857件・2020年8月14日〜2026年3月5日)で、数値はバー(通常20kg)を含む合計重量、1RM基準です。スミスのバー自体の重さは機種で違うため、この20kgという前提が自分の使っている台と合っているかは、このあとの見出しで確認してください
体重別の目安(スクワット)
| 体重(男性) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 50kg | 27 | 47 | 73 | 105 | 141 |
| 60kg | 37 | 60 | 89 | 124 | 163 |
| 70kg | 47 | 72 | 104 | 142 | 183 |
| 80kg | 57 | 84 | 118 | 158 | 202 |
| 90kg | 66 | 95 | 131 | 173 | 219 |
| 100kg | 75 | 106 | 144 | 187 | 234 |
| 体重(女性) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 40kg | 15 | 29 | 48 | 73 | 101 |
| 50kg | 18 | 34 | 55 | 81 | 111 |
| 60kg | 22 | 38 | 61 | 88 | 119 |
| 70kg | 25 | 42 | 66 | 94 | 126 |
いずれもバー込みの推定1RM(kg)です。体重70kgの男性が中級者の水準を狙うなら104kg前後、体重50kgの女性なら55kg前後という計算になります。
ベンチプレスの平均重量
| レベル | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 初心者(Beginner) | 45 | 17 |
| 初級者(Novice) | 65 | 29 |
| 中級者(Intermediate) | 90 | 46 |
| 上級者(Advanced) | 120 | 67 |
| エリート(Elite) | 152 | 90 |
出典: Smith Machine Bench Press Standards (kg)/Strength Level(2026-09-27 確認)
※ 海外の記録サービスに投稿された自己申告データです。有効記録62,411件(総投稿341,390件・男性58,928件/女性3,483件・2020年8月14日〜2026年3月5日)で、数値はバー(通常20kg)を含む合計重量、1RM基準です。バーの重さの前提については、このあとの見出しで確認してください
体重別の目安(ベンチプレス)
| 体重(男性) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 50kg | 27 | 41 | 59 | 79 | 102 |
| 60kg | 36 | 52 | 72 | 94 | 119 |
| 70kg | 45 | 62 | 84 | 108 | 134 |
| 80kg | 53 | 72 | 95 | 120 | 148 |
| 90kg | 61 | 81 | 105 | 132 | 161 |
| 100kg | 68 | 89 | 115 | 143 | 173 |
| 体重(女性) | 初心者 | 初級者 | 中級者 | 上級者 | エリート |
|---|---|---|---|---|---|
| 40kg | 9 | 18 | 31 | 47 | 65 |
| 50kg | 13 | 23 | 37 | 55 | 75 |
| 60kg | 16 | 28 | 43 | 62 | 83 |
| 70kg | 20 | 32 | 49 | 69 | 91 |
体重70kgの男性が中級者の水準を狙うなら84kg前後、体重50kgの女性なら37kg前後という計算になります。
「バー20kg込み」という定義とスミスの実際のバーの重さ
スクワット・ベンチプレスどちらのページにも、バーベル種目と同じ「Barbell weights include the weight of the bar, normally 20 kg / 44 lb.」という定義文があります。これはスミスマシン専用に書かれたものではなく、バーベル種目全般で使われている共通の文言です。
一方で、スミスのバー自体の重さはメーカー公表値で9〜20kg、カウンターウエイトで軽くした初期負荷まで含めると5.4〜20kgと機種で違います。20kgのバーを想定した定義文は、スミスの実際のバーの重さを踏まえて書かれたものではないと考えられます。20kgでない台で記録した人が、実際のバーの重さを足したのか、20kgとして足したのか、プレートだけを入力したのかは、公開情報からは確認できません。
同じプレートを積んでも、バーを20kgとして足すか実際の重さ(最小5.4kg)で足すかでは、合計が最大14.6kg変わる計算になります(当方計算・上限の例示で、実際にどの程度ずれているかは不明です)。自分のジムの台の型番が分かれば、次の見出しのメーカー公表値と照らし合わせて確認しておくと、数え方をそろえやすくなります。
メーカー公表値で見るバーの重さ
メーカーが製品ページで公表している値を、型番つきで並べます。公表している量の名前も製品ごとに違うため、同じ列で単純に比較できるものではありません。
| メーカー・製品(型番) | 公表している量 | 公表値 | 軌道 |
|---|---|---|---|
| Hoist Fitness CF-3754(Dual Action) | バー重量 | 20kg(45lb) | 水平・垂直の複合軌道 |
| Hoist Fitness CF-3755(Dual Angle) | バー重量 | 11kg(25lb) | 垂直または7度 |
| Hoist Fitness MiSMITH | バー重量 | 13.6kg(30lb、当方換算) | Dual Action |
| Life Fitness Smith Machine(SSM) | バー重量 | 9kg(20lb) | 7度 |
| Hammer Strength HSSMV | 初期負荷(カウンターバランス後) | 13.6kg(30lb) | 0度(垂直) |
| Matrix Magnum Smith Machine | 初期負荷(カウンターバランス後) | 11.3kg(25lb) | 垂直(90度) |
| Atlantis Strength E155 | 初期負荷(カウンターバランス後) | 5.4〜7kg(同一ページに2通りの記載) | 記載なし |
※ 「バー重量」と「初期負荷(カウンターバランス後)」は公表している量が違う。カウンターウエイト機では、バーそのものの質量と実際に手にかかる重さが別物になる
ここから3つのことが分かります。1つ目は、同じHoistブランドの中でも20kgの機種(CF-3754)と11kgの機種(CF-3755)があり、メーカー名だけでは重さが決まらないことです。2つ目は、Atlantis Strength E155のように、仕様表と特徴欄で2つの異なる値(7kgと5.4kg)が載っている製品があることです。3つ目は、軌道の角度も0度(垂直)から7度以上まで機種で違うことです。傾いたタイプは7〜12度に設定されることが多いとされています。
フリーウェイトとの並び
記録サイトの平均どうしを並べると、次のようになります。
| 集計 | 男性 | 女性 | 有効結果 | 期間 |
|---|---|---|---|---|
| スクワット(バーベル) | 131kg | 76kg | 7,039,938件 | 2015-03-07〜2026-03-08 |
| スミスマシンスクワット | 112kg | 62kg | 48,153件 | 2020-08-14〜2026-03-05 |
| ベンチプレス(バーベル) | 96kg | 51kg | 10,923,537件 | 2015-03-22〜2026-03-10 |
| スミスマシンベンチプレス | 90kg | 46kg | 62,411件 | 2020-08-14〜2026-03-05 |
出典: Smith Machine Squat / Bench Press Standards (kg)(2026-09-27 確認)
※ 平均どうしを割ると、スクワットはスミス÷バーベルで男性0.855・女性0.816、ベンチプレスは男性0.938・女性0.902(いずれも当方計算)
数字だけを見ると、スミスのほうがスクワットで2割弱・ベンチプレスで1割弱低く見えます。ただしこの2つは別々の集団・別々の期間の集計で、同じ人がスミスとバーベルの両方で測った差ではありません。しかも有効結果の件数がスミスは48,153〜62,411件、バーベルは700万〜1,000万件超と、100倍以上の差があります。
同じ人でスミスとフリーウェイトを両方測った研究もあります。男女32名を対象にした研究では、スクワットの1RMはスミスのほうがフリーウェイトより高く、反対にベンチプレスの1RMはフリーウェイトのほうがスミスより高いという結果でした。記録サイトの平均どうしの比(スクワットもベンチもスミスの方が低い)とは、スクワットの向きが逆になっています。
カウンターウエイト機については、入力した重量と実際に体にかかる負荷がずれる可能性を指摘した研究もあります。ベンチプレスをスローで挙げる動作を測定した研究で、カウンターウエイトのしくみが「入力した値と実際の外部負荷のずれ」を生む可能性が報告されています。ただしこの研究の対象は加速度計を使ったスロー動作の測定で、1RMの記録に同じ大きさのずれがあるとは述べていません。
動員される筋肉と構造
スミススクワットの主働筋は大腿四頭筋、協働筋は大臀筋・大内転筋・ヒラメ筋、動的安定筋はハムストリングス・腓腹筋です。スミスベンチプレスの主働筋は大胸筋(胸骨部)、協働筋は大胸筋鎖骨部・三角筋前部・上腕三頭筋・烏口腕筋、動的安定筋は上腕二頭筋(長頭)です。
この分類は、バーベル版のスクワット・ベンチプレスと3区分(主働筋・協働筋・動的安定筋)とも完全に一致しています。差があるのは動員される筋ではなく、バーが決まったレール上しか動かないという構造のほうです。フリーウェイトでは前後・左右にもわずかにブレる軌道を、自分でバランスを取りながら支える必要がありますが、スミスマシンはこのブレをレールが受け持ちます。
基本のやり方
スクワット・ベンチプレスどちらも、まずバーを支えるフックを外す動作が入る点がバーベル版と違います。
スミススクワットの基本手順
バーの高さを合わせる― 上背部にバーが乗る高さまでフックを調整します
バーを担ぐ― バーを上背部に乗せ、肩幅より少し広めの位置で両手で握ります
フックを外して構える― バーを回転させてフックから外し、足をバーの真下に置きます
しゃがむ― 股関節を後ろに引きながら膝を曲げ、太ももが床と平行より少し下まで下ろします
立ち上がる― 膝と股関節を伸ばしきって開始姿勢に戻ります
スミスベンチプレスの基本手順
バーの真下に寝る― 胸の位置がバーの真下に来るようにベンチに仰向けになります
グリップを決める― 肩幅よりやや広い位置で、やや斜めに開いたグリップでバーを握ります
フックを外して構える― バーを持ち上げてから回転させ、フックから外します
胸まで下ろす― 手首を寝かせないようにしながら、バーを胸まで下ろします
押し上げる― 肘を伸ばしきる手前で止め、同じ深さで繰り返します
どちらで鍛えても筋力は伸びる
スミスマシンとフリーウェイトのどちらを選ぶべきか迷う場合、伸びやすさの差を心配する必要は薄いようです。スポーツ科学専攻の学生37名を対象に、週2回・8週間、スクワットとベンチプレスを70%1RMでフリーウェイトかスミスマシンのいずれかで行わせた研究では、鍛えた器具と測る器具が一致する条件のほうが伸びは大きく出ましたが、結論では「特定の適応にこだわらないなら、好みで器具を選んでよい」としています。
自分のジムのスミスの型番が分かれば、この記事のメーカー公表値と照らし合わせて確認しておくと、数え方を決めやすくなります。確認できない場合は、プレートだけの重さで記録すると、台が変わっても数え方をそろえやすくなります(筆者の提案で、確立した方法というわけではありません)。
10回できる重量への直し方
表の数字は1回だけ挙げられる重量(推定1RM)です。セットで扱う重量に直すには、平均1RMの75%を小数点以下切り捨てで計算します。1RM計算式の仕組みにあるとおり、Epley式「1RM = 重量 ×(1 + 回数 ÷ 30)」を10回で逆算すると、ちょうど75%になります。
| レベル | 男性1RM | 男性10回 | 女性1RM | 女性10回 |
|---|---|---|---|---|
| 初心者 | 48kg | 36kg | 22kg | — |
| 初級者 | 76kg | 57kg | 39kg | 29kg |
| 中級者 | 112kg | 84kg | 62kg | 46kg |
| 上級者 | 154kg | 115kg | 90kg | 67kg |
| エリート | 202kg | 151kg | 122kg | 91kg |
※ 女性・初心者の10回換算は空のバー20kgを下回るため表示していません(1RM22kg×0.75の切り捨てで16kgになりますが、バーベル系種目としては再現できない重量です)
| レベル | 男性1RM | 男性10回 | 女性1RM | 女性10回 |
|---|---|---|---|---|
| 初心者 | 45kg | 33kg | 17kg | — |
| 初級者 | 65kg | 48kg | 29kg | 21kg |
| 中級者 | 90kg | 67kg | 46kg | 34kg |
| 上級者 | 120kg | 90kg | 67kg | 50kg |
| エリート | 152kg | 114kg | 90kg | 67kg |
※ 女性・初心者の10回換算は空のバー20kgを下回るため表示していません(1RM17kg×0.75の切り捨てで12kgになりますが、バーベル系種目としては再現できない重量です)
ここでも前提は「バー20kg込み」です。自分のジムのバーが9kgの機種なら、同じ表示重量でもプレートの枚数は変わります。10回できる重量は、他人の平均と比べる基準ではなく、自分の前回の記録から次の1回を決めるための材料として使ってください。
まとめ
- 平均はスクワット男性112kg・女性62kg、ベンチプレス男性90kg・女性46kg。いずれもバー20kg込みの推定1RM
- スミスのバー自体の重さはメーカー公表値で9〜20kg(初期負荷まで含めると5.4〜20kg)と機種で違う
- 記録サイトの「バー20kg込み」という定義は、実際のバーの重さとズレている可能性がある
- 動員される筋の分類はバーベル版と完全に一致。差は筋肉ではなく軌道が固定されている構造のほう
- フリーウェイトとの平均の比は換算係数に使えない。同じ人を測った研究ではスクワットとベンチで向きが逆
- 10回できる重量はおよそ1RMの75%(小数点以下切り捨て)
比べる相手は他人の平均ではなく、同じ台で取った前回の自分の記録です。



